船頭多くして船山に上る、となりやしないか。4年連続V逸中の日本ハムは今季の厚沢和幸コーチ(48)、武田勝コーチ(42)の2投手コーチに荒木大輔二軍監督兼投手コーチ(56)を加えた一軍投手コーチ3人体制で来季に臨む。

 今季の一軍首脳陣は栗山監督以下、8コーチの計9人体制だった。それが来季は2人増の11人体制に。中でも目を引くのが投手部門だ。今季も木田、厚沢、武田の3投手コーチで臨んだが、機能していたとは言い難い。そんな中でチーム内からは「自分たちは誰についていけばいいんでしょうか…」との素朴な疑問が出ている。チーム関係者もこう言う。

「当たり前のことですけど、投手コーチが3人いれば、それぞれ考え方も違ってくる。3人が違うことを選手に指導したとき『誰の言うことを聞けばいいのか』となってしまうケースは、客観的に見て起こりそうじゃないですか?」

 しかも3投手コーチは年齢や経歴もバラバラ。チーム内での力関係も分かりにくい。シーズンに入ればベンチ入りできる監督・コーチは8人で誰が外れるのかも気になるところ。「一番の年長者は荒木さんだけど、日本ハムでの指導歴は厚沢さんの方が長いし、栗山監督との距離も近い。(武田)勝さんも含め、みんな『俺が、俺が!』っていうタイプじゃないし、誰が実質的に取りまとめるのか」と前出関係者は心配する。リーグ4位のチーム防御率4・02だった投手陣をどう立て直すのか? 3人寄ってどんな知恵が出てくるのか注目が集まりそうだ。