巨人・井上温大投手(25)が松井監督のもとで迎える来季開幕投手の座を狙うとともに、背番号変更の野望も胸に秘めている。

 高卒7年目となった今季は23登板で自身初の2桁勝利となる10勝(8敗)に到達。規定投球回にも初めて達するなど、大きな飛躍を遂げた。そしてチームには松井監督が新たに就任し、井上も「ジャイアンツの歴史に残る人と一緒にやれるのはすごくうれしいことだと思います」と気持ちを入れ替え「6人のうちの1人に入って、結果的にそれが開幕投手になったら光栄なこと」と大役を見据えた。

 その井上にはもう一つ野望がある。背番号97からの変更だ。入団時は「91」で左ヒジの手術を受けた際に育成契約で「091」となり、支配下に復帰した2022年7月から97番をつけている。

 リーグ優勝に貢献した24年オフには「背番号をもう少し軽くしたい」と変更を打診したこともある。ところが、阿部前監督には「僕が認めていないのでダメ。2桁勝利を挙げたら変えていいよ」と〝条件〟をつけられた。そして今季見事にクリアしたものの、望んでいた「21」はすでに昨年のドラフト1位・竹丸の背にある。

「今永さん(カブス)みたいなピッチャーになりたいと思っていましたし、各球団の21番をつけている左ピッチャーに並びたいなと思っていました」。憧れた番号には届かなかったが、こだわりまでは譲れない。現在の「97」を「数字的にパッとしない」と評する理由には、井上なりの〝投手美学〟がある。

「ピッチャーはどこかしらに『1』をつけたいものなんです。十の位、一の位でも。ポジションとしても『1』で、少年野球から『1』をずっとつけてきたから」。少年時代からエース番号をつけてきた井上のプライドでもある。

 もっとも、阿部前監督が「2、3年やった後に認めてあげた方がいいかな」と話していた意図も理解している。「自分が変えてほしいと言うよりか『お前に託そう』と言われたいです」。現状に満足しない姿勢は、背番号が変わったとしても変わらない。