【2020ドラフト会議】西武は〝らしい選手〟を射止めた。大学ナンバーワン左腕、早大・早川隆久投手(22)は4球団競合の末にクジで外したものの、外れ1位に178センチ、112キロの巨漢を誇る桐蔭横浜大・渡部健人内野手(21)を指名した。

 ぽっちゃり体形で高校(日本ウェルネス)時代からスラッガーとして注目されていた渡部は、大学に入学すると1年からレギュラーとして活躍。今秋は神奈川大学リーグのタイ記録となる8本塁打をマークし、23打点で新記録を樹立した。

 その風貌と打球の飛距離、一塁や三塁の守備で見た目以上に動けるところは、まさに〝おかわりくん〟こと中村剛也内野手(37)や山川穂高内野手(28)と重なる。まだ映像でしか見ていないという辻発彦監督(62)も「キャラクター的にもタイプ的にも、ウチらしくていい」と笑顔交じりに話す。

 期待されているのは長打ばかりではない。仮にも外れ1位での指名に踏み切ったのは「ショートはできないと思うけど、動けない選手じゃない」守備力と「当たれば飛ぶというだけの選手じゃない」(辻監督)という柔軟性のある打撃を総合的に評価したからだ。

 現時点でレギュラーが約束されているわけではないが、打線の中軸を担える能力はあるとみられている。先輩の中村(102キロ)、山川(103キロ)とともに合計300キロの超重量級クリーンアップがお目見えする日もそう遠くはないかもしれない。