中日が長いトンネルを抜け出した。5日の西武戦(バンテリンドーム)は1―0で今季2度目のサヨナラ勝ち。連敗を5で止め、交流戦を5勝5敗のタイに戻した。
決めたのは阿部寿樹内野手(36)だ。0―0の9回二死一、二塁。代打で登場すると、西武先発・高橋の154キロ直球を右前へはじき返した。「とにかく速い球に合わせて。初球を見送ってしまったんですけど、前に飛んでくれと思いながら打ったら前に飛びました」。ベテランの劇打に、ドームのボルテージは一気に跳ね上がった。
1週間ぶりの白星に胸をなで下ろしたのは、ナインとファンだけではない。地元ラジオ局にとっても待望の勝利だった。今週(1~7日)はビデオリサーチによる聴取率調査週間。聴取率は広告営業を左右する重要な指標だけに、中日戦を中継する東海ラジオ、CBCラジオは2日からのソフトバンク、西武6連戦に解説者2人を配する特別体制で臨んでいた。5日も東海ラジオは山崎武司氏と松井稼頭央氏、CBCラジオは吉見一起氏と小笠原道大氏という豪華布陣だった。
ところが肝心のドラゴンズは2~4日のソフトバンク戦で3連敗。地元ラジオ局関係者は「ドラゴンズがリードされると、野球中継を聴いてくれる人が減ってしまいますから、とにかく勝ってほしいんです。3日のソフトバンク戦も5―5の同点から延長11回表に3点を勝ち越されると、数字がガタッと落ちました」と本音を漏らす。
名古屋地区では全日で最も聴かれているラジオ局はZIP―FMとされる。それでも東海ラジオとCBCラジオには中日戦という強力コンテンツがあり、野球中継の時間帯には王者を上回る数字を出すケースも少なくない。聴取率調査週間での中日の白星は、何よりの追い風だ。「明日も明後日も勝ってほしいです!」。中継ブースからは、竜の連勝を願う切実な声が響いていた。












