主砲の役目は打つだけじゃない。広島・鈴木誠也外野手(26)が15日の中日戦(マツダ)で18号3ランを放った。初回に中日先発・大野雄の直球をフルスイングすると、打球は一直線に左中間スタンドへ。13日の阪神戦に続く2戦連発を「たまたま甘いボールがきたので振りにいけたぶん、ああいう結果になってよかった」と振り返った。

 かつてないほどの不振でも“助言”は怠らない。73試合を終え、打率3割1厘と本来の力からすれば納得できる数字ではない。試合前の練習では復調に向けて試行錯誤を繰り返している。ただ、そんな窮地でも大盛穂外野手(24)や正随優弥外野手(24)ら、今季が一軍初体験の若手選手に声を掛け、身ぶり手ぶりを交えてアドバイスを送っているのだ。

 そんな殊勝な姿にチーム関係者も「どんな不動の主力選手でも、不調で数字が落ちているときは自分のことで精一杯になるのが普通。チームで一番重圧のある4番を務める中で、若手に対してあそこまで目配りできるのはすごい」と、うなるばかり。

 チームは主力選手の負傷離脱が続出し借金を抱えるが「ずっといい時はチーム的にもないと思う。こうやって若い選手が出てみんな経験を積んでいっている。そういう意味ではプラスだと思う」と前を向く鈴木誠。若手を支えながら自らもV字回復といきたいところだ。