鷹が借金完済! 楽天6連戦4勝のウラに工藤流〝短期集中決戦〟攻略法

2020年07月13日 11時00分

ソフトバンク・工藤監督(左)

 日本一軍団のエンジンにようやく火がついたようだ。ソフトバンクは12日の楽天戦(ペイペイドーム)に6―1で快勝。首位相手の同一カード6連戦を4勝2敗で勝ち越した。前半3試合と後半3試合で見違えるような戦いぶりを演じ、最大3あった借金を完済して勝率5割復帰。“短期集中決戦”の勝ち方を熟知した工藤ホークスがいよいよ本領発揮だ。

 今カードを前にして楽天は11勝4敗でチーム打率3割3厘、チーム防御率2・84。ソフトバンクは投打に精彩を欠き借金2と苦しみ、4・5ゲーム差をつけられていた。勢いの差は歴然で苦戦も想定されたが、結果は4勝2敗でソフトバンクが勝ち越した。

 球団OBで本紙評論家の加藤伸一氏は「正直言えば、私も勝ち越すことは難しいと思っていました」と言い、今回の勝因をこう分析した。「ソフトバンクは選手にも危機感があったと思います。その中で勝ち方を知っているチームの底力が出た印象です。加えて3戦目までの戦いから対策を立てて、トータルで勝ち越す戦い方ができていました。日本シリーズなどで特定のチームと続けて対戦する経験も生きたのではないでしょうか。後半3試合で楽天打線を封じた意味でいえば、前の日本ハム戦では苦しんでいたようですが、捕手・甲斐が陰のMVPです」

 前半3戦は1勝2敗。絶好調の主砲・浅村に13打数5安打2本塁打6打点と打ちまくられた。それが3連勝を飾った後半3試合は一変。浅村を9打数1安打に抑え、周囲の主軸も完璧に止めた。2番・鈴木大を10打数1安打、3番・ブラッシュを10打数無安打7三振。5番・島内も9打数ノーヒットに封じた。

 日本シリーズでも初戦などで特定の打者に徹底的に打たれれば、データのアップデートが急務になる。その中で好調な相手を崩すことが何より重要。今回でいえば前半3戦は計24失点だったが、後半3試合は計12安打で6点しか許さなかった。

 工藤監督も「6連戦をやっていくと傾向や打球方向も見えてくる。その中でどういう球を生かしてというところもできたんじゃないか。前半に打たれたところを反省するなどして、投手と(捕手が)話をしていいミーティングができたと思います」と手応えバッチリに話した。

 同一カード6連戦が続く異例の日程では、勝ち越しと負け越しの差が大きい。1週間で首位・楽天に2・5ゲーム差まで接近したソフトバンクがじわじわと“定位置”に戻りそうな勢いだ。