エンゼルス・大谷翔平投手(27)を巡り炎上騒動だ。米スポーツサイト「ヘイロー・ハングアウト」が大物球団OB、ロッド・カルー氏(76)に対し「エンゼルスのレジェンドが『最も才能ある打者』リストにマイク・トラウトを入れたが、大谷翔平を鼻であしらった」と題し「失礼ながら、満票でア・リーグMVPを獲得した大谷を選ばなかったことに困惑している」と猛抗議するなど、波紋が広がっている。

 議論となったのは、1967年から85年にかけ、ツインズとエンゼルスで一、二塁手として活躍したカルー氏が「大リーグで最も才能のある打者は誰ですか?」というファンに対してのツイートに「マイク・トラウト、ルイス・アラエス、ザンダー・ボガーツ、ブライス・ハーパー、バイロン・バクストン。他に誰を見逃しているかな?」とリプライした件だ。

 同サイトは、カルー氏が挙げた5人のうち、トラウト、ハーパー、バクストンまでは同意したが「ボガーツとアラエスは大谷のいるギャラクシー(銀河)には程遠い」と、数字を並べて抗議した。

 2021年シーズンを比較すると確かにアラエスは、打率2割9分4厘で大谷の2割5分7厘を上回っているが、本塁打は2本で打点は42。出塁率、長打率、OPS(出塁率+長打率)など大谷がはるかにリードしている。「確かにアラエスは悪い打者ではないが、生産性ならまだしも才能で比較した時には大谷の才能が見せているものには程遠い」と断言。

 また打率2割9分5厘、23本塁打、79打点のボガーツに対しても、「レッドソックスファン以外は、ボガーツと大谷だったら誰もが大谷の才能を選ぶだろう」と、4月12日のロイヤルズ戦で大谷が球速119マイル(約192キロ)の二塁打を放ち、左投手相手に史上最速の打撃を記録したことなどを挙げながら反論している。

 また、ボガーツがいるレッドソックスの平均打率は2割6分7厘(大リーグ3位)であるのに対し、大谷はエンゼルスのトラウト、レンドン、アップトンらの強打者らが故障で不在の中、なんのバックアップもなく、全盛期のバリー・ボンズ以上に歩かされた状況でこれらの数字を叩き出したことも才能を表していると強調した。

 カルー氏といえば、通算3053安打を放って殿堂入りも果たしている大物OB。背番号29はエンゼルスの永久欠番でもある。そんなレジェンドの不可解な“大谷無視”とあって、見過ごすわけにはいかなかったようだ。

【OB、現役問わず絶賛の嵐のなか…】カルー氏は才能ある見るべき選手5人に大谷を選択しなかったが、メジャーのOBや現役選手らは大谷を次のように絶賛していた。

 ヤンキースなどで通算251勝のCC・サバシア氏は大谷がMVPを受賞した後に自身のツイッターで「ショウヘイ!!!!!!!!!!!お前は俺が今まで見たなかで最高の選手だ」と祝福。シーズン中には「あの男のプレーを初めて見た時、これまでで最もスゲー選手だと思った。レベルが違う。俺は東海岸に住んでいる。彼のプレーを見るために目覚まし時計をかけていた。俺はたぶん最大のファンだ」とも発言していた。

 レッドソックスなどで活躍した通算219勝のペドロ・マルティネス氏は「彼は機械で造られている。人間じゃない」と仰天。ヤンキースなどで通算696本塁打のアレックス・ロドリゲス氏は「ハーパーのスイング、シャーザーのウイングショット、ターナーのスピードを兼ね備えている」と賛辞を贈った。

 現役選手ではカブスのマーカス・ストローマン投手が「大谷は人間の形をした神話上の伝説だ」と二刀流をあがめる。球宴の本塁打競争に参加した翌日に先発マウンドに立った大谷に対してドジャースのマックス・マンシー内野手は「本塁打競争は体力的にかなりタフなイベントで、すぐガス欠になる。それなのに翌日に投球できるなんて信じ難いこと」と驚がくしていた。

 また、ヤンキースのゲリット・コール投手は「彼がやっていることは明らかに歴史的なこと。なんと素晴らしい才能なんだ」と喝采。同僚のマイク・トラウト外野手は「まるでリトルリーガーだ。8回を投げて、本塁打をかっ飛ばし、右翼に入る。こんなの(メジャーで)見たことない」とたまげている。