米誌スポーツ・イラストレーテッド(SI)は16日(日本時間17日)に「田中を行かせたのはヤンキースにとって大きな失敗だった」との記事を電子版にアップ。今季から楽天に復帰した田中将大投手(32)の離脱を惜しみ、キャッシュマンGMによる“質より量”の方針を責め立てた。

 今季のヤンキースは15日(同16日)現在、5勝7敗と苦戦している。チーム防御率3・33はメジャー10位だが、先発陣に限ると同4・58で19位に落ちる。同1・47でチームをけん引するエースのコールを除いた先発陣は防御率6・14と目を覆いたくなる数字だ。

 田中の穴を埋める先発2番手として獲得したクルバーとタイロンも現時点では期待外れ。クルバーは3度の先発で5イニング以上投げられず防御率6・10。タイロンも2度の先発で5イニング持たず、同7・56だ。

 こんな事情からSI誌は「田中のヤンキース在籍時の成績は78勝46敗で防御率3・74。プレーオフになるとさらに頼りになった。彼が投げればチームに勝利のチャンスをもたらすとニューヨークの誰もが知っていた」と懐かしみ「彼は働き者でコーチ、チームメート、ファンから愛されていた」と不在を嘆いた。

 ヤンキースでは18年に19勝したセベリーノが右ヒジ手術からの今夏復帰を目指しており、台頭が期待される若手投手も多い。SI誌は「ヤンキースは田中と再契約していれば先発陣の穴を一つは埋められていたはず。外部からの補強を含めて、これからどう立て直していくのだろうか」とキャッシュマンGMが直面している課題も指摘した。