横綱相撲で相手を寄せつけなかった。第104回全国高校野球選手権大会(甲子園)第9日の第3試合は、大阪桐蔭(大阪)が聖望学園(埼玉)を19―0で下して3回戦進出を決めた。攻撃陣が25安打を集める猛攻を見せると、守りは無失策で4投手による2安打完封リレー。旭川大(北北海道)との初戦ではエンジンのかかりがいま一つだった優勝候補が、一気にギアを入れ替える大勝で次戦に弾みをつけた。
手を抜かず、緩めず、最後まで得点を積み重ねるのが相手への敬意――。高校球界の横綱らしく容赦なく安打を浴びせ続けた。25安打中、単打が20本。快音のたびに白球がヒットゾーンへ転がった。つなぐ意識で切れ目のない打線が相手を飲み込み、ワンサイドゲームへ持ち込んだ。
試合後、西谷監督は表情を変えることなく淡々と言った。「大量得点したというよりも、9イニングの中の8イニングで丁寧に得点を積み重ねることができた」。試合前、指揮官は「粘り強く、辛抱強く戦おう」とナインに語りかけ、ゲームに送り出した。初戦は3点を先制されてヒヤリとするゲームを終盤に逆転勝ち。それを受けての指示だった。この日はどれだけ点差が開こうが、集中を一切切らさず、7回以外のイニングで得点。ミッションを完遂した選手の働きに、指揮官は手応えをつかんだ様子だった。
大会前に先発起用を通達していた左腕エースの前田(2年)が万全の準備で5回1安打、無四球、9奪三振の快投。打ってはプロ注目の松尾(3年)が2打席連続アーチで貫録を示すなど、役者が存在感を放つあたりもチームに勢いをつけた。
大勝にも笑顔はなかった西谷監督。ライバルと目された智弁和歌山(和歌山)、横浜(神奈川)が早々と姿を消す中、春夏連覇を狙う大本命が盤石の戦いで威厳を示した。












