【取材の裏側 現場ノート】少年時代はロッテファンだった。そのロッテがシーズン終盤の今「いよいよマジック点灯か」という状況となり、落ち着かないというか、妙な胸騒ぎがしている。
当時のロッテは2年連続前期優勝(1980年、81年)を果たすなど、間違いなく強いチームだった。「12球団で最下位が一度もない唯一の球団」というのがファンとしての誇りでもあったが、それだけに球団史上初の最下位に転落した83年のシーズンは悲しかった。
自分にとってのヒーローは、2年連続でノーヒットノーラン寸前の9回二死からヒットを許したサブマリンの仁科時成であり、マサカリ投法・村田兆治、三冠王の落合博満。その落合がトレードで放出されて以降は、Bクラスに低迷した。それからは弱いチームの象徴として「巨人はロッテより弱い」発言などでネタ扱いされることもあったが、自分としては「ロッテは本当に巨人より強い」と思っていたから、まったくショックはなかった。
そんなファン心理としては「16年ぶりの優勝なるか」という煽り文句よりも「47年ぶりのシーズン勝率1位での優勝なるか」というほうがしっくりくる。というのも、他球団のファンには「ロッテの優勝はインチキ」と言われることがよくあった(そういえば落合の最初の三冠王のときも『川崎球場は狭いからインチキ』と言われた)から。2005年の優勝はプレーオフを制したもので、10年はシーズン3位からCSを制しての「下剋上」だった。もちろんリーグで取り決めた優勝に「正式」も「インチキ」もないのだが、誰にも言いがかりのつけようがない優勝という意味では、そこにこだわりたい思いがある。
その47年前、74年のV戦士の一人が、本紙評論家の得津高宏さんだ。
「そういう形で私たちにスポットが当たるのはうれしいものです。あの年は最後までしんどくて…。上田さんの阪急が西本さんの近鉄に負けて、ロッテの後期優勝が決まったんです。仙台の旅館前で金田さんを胴上げしてね。西本さんは試合の前に『金田、見てろよ、絶対勝ってやるからな!』と金田さんに話していたそうです。ここまできたら文句のつけようのない勝率1位での優勝、ぜひともつかんでほしい」
かつてのロッテは「テレビじゃ見れない川崎劇場」とも言われたが…。そんな不遇オリオンズ時代を見守ってきたファンともども、OBたちも半世紀ぶりの瞬間を待ち望んでいる。(運動部デスク・溝口拓也)












