常勝軍団の行く手に、グラウンド外から〝二重の暗雲〟が垂れ込めている。ドジャースは迫るロックアウトの危機に加え、オーナーのマーク・ウォルター氏(66)が率いる企業を巡る連邦捜査という難題も抱える。これまで大型補強を支えてきた潤沢な資金力に、異変が生じる恐れはないのか。
米ドジャース専門メディア「ドジャーブルー」は6日、ウォルター氏の法的問題が続く中でも、球団への資金投入は従来通り維持される見通しだと報じた。ただ、その背景には巨額の資金を巡る深刻な懸念が横たわる。
捜査の焦点は、ウォルター氏が率いる「TWGグローバル」傘下の保険会社と関連企業の資金取引だ。保険会社から関連企業への巨額融資が適切に開示されていなかった疑いなどを、米司法省や証券取引委員会(SEC)が調査。FBIが同氏の携帯電話などを押収したことも報じられた。一方、同社側は不正を否定しており、疑惑の真偽は確定していない。
関連する融資や負債は約200億ドル(約3兆1600億円)に達し、年末までに整理を迫られているとされる。ウォルター氏はNBAレイカーズやサッカーのチェルシーに関する保有資産を売却。女子プロバスケットボールのスパークスやF1のキャデラックチームも売却候補と伝えられ、資金確保に向けた動きが注目されている。
それでも、本人はドジャースの売却を強く否定。グッゲンハイム・グループによる財政支援は「これまでと全く同じになるだろう」と明言した。スタン・カステン球団社長も運営への影響を否定し、編成トップのアンドリュー・フリードマン氏は、ブルワーズに世界一を阻まれた直後もウォルター氏の関心が来季の勝利に向いていたと証言。球団側の姿勢は揺らいでいない。大谷翔平らへの巨額投資を支えてきた資金力は球団最大の武器であり、その維持こそが常勝軍団の生命線といえる。
ただし、約束が将来の保証になるわけではない。捜査の進展や巨額負債の処理次第では、資金面の余裕が圧迫される可能性も残る。しかも現行の労使協定は12月1日(同2日)に期限を迎え、ロックアウト突入なら補強交渉にも影響が及ぶ。
MLBのロブ・マンフレッド・コミッショナーは捜査の結論を見守る方針だが、ドジャースにとって〝金庫の鍵〟が今後も安泰とは限らない。












