オーナーが交代したエンゼルスが非常事態に陥っている。9月に球団を買収した新オーナーのスタン・クロエンケ氏率いる「クロエンケ・スポーツ・アンド・エンターテインメント」がまだオーナー会議で正式に承認されておらず、FA交渉、監督人事、組閣、幹部人事などすべての動きが宙ぶらりん状態となっている。さらに12月1日をもってロックアウトの危機が迫り、新体制作りの中断を余儀なくされるかもしれない。

 前オーナーのアレナ・モレノ氏からオーナーシップを引き継ぐには29人のオーナーが投票し、23人以上の賛成が必要とされる。10~12日にネバダ州で行われるGM会議で投票が行われる可能性もあるが、ロックアウトを控えて例年以上に選手の移籍に焦点が当てられるのは間違いなく、この場での承認の可能性は低い。

 続く機会は17~19日にニューヨークで開催されるオーナー会議しかないが、ここで承認されてもロックアウトまで身動きが取れる時間は2週間も残されておらず、米メディア「ハロハングアウト」は「新しいオーナーグループは新しい幹部を雇い、新しいコーチ陣を迎え入れ、選手の契約やトレードを行うための時間が2週間も残されていない。それらをすべて完了させるには時間が短すぎる」と悲観視している。

 カート・スズキ監督が解任され、新監督、新GMの人事も未定。現在はモゼリアック氏が暫定GMとして新体制までの〝繋ぎ役〟を12月まで務めることになっているが、この慌ただしさではFA注目のスクバル獲りどころではない。ましてやオーナー会議でも正式に「投票が行われるとの議案は含まれていない」との情報もあり、先行きは不透明。最悪、何も決まらないままロックアウトが解除されるまで球団運営が凍結される可能性もある。

 モゼリアック氏は米メディア「サン・ガブリエル・バレイ・トリビューン」に「投票が行われ次第、積極的に追求していく。今後の方向性は未定です。何が起こるか分からないからね」などと話している。ちなみに同じく球団売却となったパドレスは8月のオーナー会議でフェリシアーノ、ジョーンズ両氏が新オーナーとして承認されている。