かつてメジャーの舞台で豪快なアーチを量産した元大砲が、今度は米政界で〝逆風の一発〟を放った。米中間選挙が3日(日本時間4日)に行われ、ヤンキースなどで活躍した元強打者のマーク・テシェイラ氏(46)が共和党候補としてテキサス州第21選挙区の連邦下院議員選挙で初当選。民主党の〝反トランプ旋風〟が吹き荒れる中、異色のルーキーが勝ち名乗りを上げた。

 米スポーツ専門局ESPN、AP通信、ロイター通信などによると、テシェイラ氏はトランプ大統領の支持を受け、国境警備の強化や「アメリカ・ファースト」を訴えて選挙戦を展開。政府機関で科学者として勤務した経歴を持つ民主党候補クリスティン・フック氏を退けた。現役時代は通算409本塁打を放ち、オールスターに3度選出されたスイッチヒッター。バットを演説に持ち替えても、勝負強さを発揮した格好だ。

 今回の中間選挙では民主党が上下両院の主導権を奪還。共和党の牙城とされてきたテキサス州でも民主党が躍進し、現職のアボット知事が民主党のジーナ・イノホサ氏に敗れる波乱が起きた。そのアボット氏はテシェイラ氏を推薦していただけに、まさに明暗が分かれた。ただし、第21選挙区は長年にわたる共和党の地盤で、今年は同党に有利な区割り変更も実施。逆風の中での勝利とはいえ、追い風となる条件もそろっていた。

 見逃せないのは、巨人・松井秀喜監督(52)との〝世界一の絆〟だ。テシェイラ氏がヤンキースに加入した2009年は、松井監督にとって同球団での最終年。フィリーズとのワールドシリーズ第2戦(ヤンキースタジアム)では2人がそろってペドロ・マルティネスからソロ本塁打を放ち、3―1の勝利に貢献した。

 11月4日(現地時間)の第6戦では松井監督が1本塁打を含む3安打6打点と大爆発。7―3で9年ぶりの世界一を決め、シリーズMVPに輝いた。テシェイラ氏も当時、「あんな打撃は見たことがない」と絶賛。しかも、当選が伝えられたのは、あの歓喜の夜からちょうど17年後の11月4日(同)だった。

 巨人で新たな船出を迎えた松井監督と、首都ワシントンに向かう元同僚。17年前に同じ頂点を目指した2人は、今度は全く異なる舞台で〝次の勝負〟に挑む。