「世界一を逃してもクビはない」――。一方では、9月を待たずして来季のイスが消えかけた指揮官もいる。米老舗誌「スポーツ・イラストレイテッド」の電子版「ON SI」は27日(日本時間28日)、MLB全30球団の監督を6段階の「安全度」で査定。シーズン終盤の去就に踏み込んだ。

 最上位の「幸せな結婚生活」に入ったのが、大谷翔平、山本由伸、佐々木朗希の日本人トリオを擁するドジャースのデーブ・ロバーツ監督(54)だ。同誌は豊富な戦力を背景に勝ち続ける限り交代の必要性はほぼないとし、今季もワールドシリーズ優勝の最有力候補と評価。「たとえ念願の3連覇を逃しても」地位は極めて安泰とした。

 村上宗隆のホワイトソックスを率いるウィル・ベナブル監督(43)も安泰組。昨季60勝だったチームは今季116試合で同数に達し、就任2年目で立て直した手腕が高く買われた。

 鈴木誠也、今永昇太のカブスもクレイグ・カウンセル監督(56)の立場は堅い。2024年に5年4000万ドル(約64億円)で契約し、2029年まで残る。昨季92勝、今季も93勝ペースで、ワイルドカード争い首位にいる。

 反対に岡本和真のブルージェイズを率いるジョン・シュナイダー監督(46)は「重大な局面」。昨季ワールドシリーズで頂点まであと1イニングに迫ったが、今季は苦戦しており、ポストシーズンを逃せば5年間の任期が終わる可能性があるという。

 今井達也のアストロズではジョー・エスパダ監督(50)がさらに厳しい。契約最終年で、自身を起用したダナ・ブラウンGMも24日(同25日)に解任。同誌は10月まで勝ち進むような快進撃がない限り、今季限りとなる可能性が高いとみる。

 松井裕樹のパドレスも、就任1年目のクレイグ・スタメン監督(42)が正念場。悲惨なスタートから立て直したものの、ポストシーズンを逃せば1年で「解任される可能性が十分にある」とされた。

 日本人選手は今季所属していないものの、何かと日米で注目される名門ヤンキースを率いるアーロン・ブーン監督(53)にも赤信号がともる。就任9年目ながら世界一は一度もなく、球団は09年を最後に頂点から遠ざかる。同誌は今秋もポストシーズンで勝ち進めなければ、これまで寛容だった首脳陣の忍耐も限界を迎えかねないとした。

 一方で千賀滉大のメッツは事情が異なる。6月下旬にカルロス・メンドーサ監督が解任され、アンディ・グリーン暫定監督(49)が就任したが、同誌によれば起用は当初から今季限り。シーズン後は球団フロントに戻り、オフに新監督を探す予定だ。

 そして菊池雄星が所属するエンゼルス。1年契約のカート・スズキ監督(42)は52勝80敗で、「新たな契約に値するほどの成果を上げていない」と一刀両断された。優勝争いの裏で進む〝監督サバイバル〟。9月の1勝は、選手以上に指揮官の運命を揺さぶる。