最後の穴まで、ついに埋まった。ア・リーグ東地区を突っ走るレイズが、10月を勝ち抜く上で最大の懸案だった「先発力」まで解消。世界一への死角が消えつつある。

 レイズは26日(日本時間27日)終了時点で79勝54敗。2位ヤンキースに3・5ゲーム差、3位レッドソックスには6ゲーム差をつけ、地区優勝へまい進している。米老舗誌「スポーツ・イラストレイテッド」の電子版「ON SI」は「レイズはついにポストシーズンにおける最大の弱点を克服した」と題し、その根拠を先発ローテーションに求めた。

 2020年は強力な3本柱を擁してワールドシリーズへ進出。その後も21~23年に3年連続でポストシーズンへ進んだが、地区シリーズ突破には届かなかった。同メディアは、当時の攻撃力不足も指摘される一方、3度の挑戦に共通した根本的な課題は先発陣にあったと総括する。その「10月の弱点」が今季は過去のものになり得るというのだ。

 中心はドリュー・ラスムッセン。25日(同26日)まで14勝5敗、防御率2・95。同メディアは、その右腕を「真のエース」と位置づける。ニック・マルティネスも13勝4敗、防御率2・93と二枚看板を形成。そこへ負傷者リスト(IL)から18日(同19日)に戦列復帰したシェーン・マクラナハンが戻り、2日(同3日)のトレードでメッツから獲得したフレディ・ペラルタまで加わった。ペラルタは26日のタイガース戦で6回2安打無失点、10奪三振。移籍5試合目でレイズ初勝利を挙げ、ローテーションの厚みを証明した。

 ON SIは、打線が不調に陥ったり、ブルペンが崩れたりする短期決戦だからこそ、最後に勝敗を分けるのはローテーション上位の投手だと指摘する。昨季ワールドシリーズMVPのドジャース・山本由伸も、その象徴として挙げた。

 米メディアでレイズを「世界一候補」とみる論調が相次ぐ中、MLB公式の最新パワーランキングでも3位。豪華戦力を誇る3連覇狙いのドジャースに目を奪われがちだが、短期決戦で問われるのは名前の大きさではなく、穴の少なさだ。唯一ともいえたウイークポイントまで消えた今、世界一の本命をドジャースではなくレイズと見る理由は、これでまた一つ増えた。