ドジャース相手に劇的なサヨナラ打を放ったブレーブスの金河成(キム・ハソン)内野手(30)を巡り、母国・韓国メディアが〝復活の英雄〟ばりに称賛の嵐を送っている。ここまで低迷続きだっただけに喜びが爆発するのも無理はないが、その熱量は米国内の冷ややかな視線とはあまりに対照的だ。

 キム・ハソンは26日(日本時間27日)、本拠地トゥルーイスト・パークで行われたドジャース戦で、5―5の9回二死一、二塁から代打で登場。ドジャースのスコットが投じた97・2マイル(約156キロ)の直球を左前へ運び、6―5のサヨナラ勝ちを呼び込んだ。10試合ぶりの出場で放った一打とあって、球場が沸いたのは当然だった。

 だが韓国での熱狂ぶりは、その数段上を行く。韓国メディア「スポーツ朝鮮」は、6月4日(同5日)のブルージェイズ戦を最後に84日間、27打席無安打という深刻な不振に陥っていた点を強調しながら「まるで映画のような瞬間」と大々的に称賛。この一打を加えても打率は0割7分8厘にすぎないが、長い沈黙を破った〝劇的復活〟として扱った。

 さらにMLB公式サイトのブレーブス番、マーク・ボウマン記者が「今夜、トゥルーイスト・パークから現れた最も予想外のヒーロー」「2000万ドル相当の一打」と評したことも紹介。ワイス監督が、出場機会の少ない中でも腐らず努力を続けてきた姿勢をたたえたコメントまで添え、母国では一夜にしてキム・ハソンを〝主役〟へ押し上げる勢いだ。

 もっとも、米国での評価まで同じ方向に傾いたわけではない。米メディア「ヘビー」も含め複数の現地報道では、今後もロースターを占めるだけならブレーブスはキム・ハソンとの関係を断つことまで真剣に検討すべきだと主張する声がいまだ大勢を占めている。今季は1年2000万ドル(約31億9000万円)で再契約しながら、試合前まで76打数5安打、打率0割6分6厘、OPS・231。ポストシーズンのロースター入りすら不透明とする厳しい見方は、サヨナラ打一本で消え去るほど軽いものではない。

 韓国では「映画のようだ」と大騒ぎし、米国ではなお去就を疑う声がくすぶる。この温度差こそ、今のキム・ハソンを最も正確に映しているのかもしれない。華々しい〝復活劇〟と呼ぶには、まだワンシーンが終わっただけだ。続編を描けるかどうかは、ここからのバット次第だろう。