気づけば、青い鳥が〝秋〟の扉をたたき始めている。ブルージェイズは12日(日本時間13日)、本拠地ロジャーズ・センターでレッドソックスに6―4で逆転勝ち。4連戦の初戦から3連勝を飾り、59勝63敗とした。米メディア「ヘビー」は同日、「今は気づかないかもしれないが」と前置きし、ア・リーグのワイルドカード3枠目にいるレンジャーズまでわずか1・5ゲーム差に迫ったトロントの急浮上をクローズアップした。

 勢いは一過性ではない。7月24日(同25日)の時点では47勝57敗でワイルドカード圏まで6・5ゲーム差だったが、そこから18試合で12勝6敗。直近13試合に限れば9勝4敗、勝率6割9分2厘だ。7月下旬にはポストシーズンが遠のき、トレード期限では補強と放出を同時に進める異例の立ち回りを見せたチームが、8月に入って息を吹き返している。

 その流れを象徴したのが、この日の一戦だった。1―1の8回、相手の一塁手・コントレラスが岡本和真内野手(30)の平凡なファウルフライを落球。命拾いした岡本は直後に右前へ決勝適時打を放った。2回にも二塁打で出塁し、先制のホームを踏んで2安打1打点。今季24本塁打、66打点を挙げ、日本出身新人のシーズン最多本塁打記録も更新している主砲が、勝負どころでも存在感を示した。

 ジョン・シュナイダー監督(46)は、この幸運を独特の言い回しで歓迎した。「野球の神様は、10か月ほどたって私たちに対する考えを変えたのかもしれない。何が起こるか、わからないのだから」。さらに「相手のミスを利用しなければならない」とした上で、「1か月前、2週間前なら、あのボールはフェアで、インフィールドフライのルールが適用されていただろう。でも、野球の神様、ありがとう。これからも続けてください」と笑いを誘った。

 昨季はワールドシリーズ第7戦まで進みながらドジャースに敗れたブルージェイズ。それが今季は長く借金生活に沈み、残り40試合でようやくポストシーズンが視界に戻ってきた。冗談めかして神頼みする指揮官の横で、岡本のバットは現実の勝ち星を積み上げている。秋の入り口は、もう1・5ゲーム先だ。