昨季60発の怪物が、見る影もない。マリナーズのカル・ローリー捕手(29)が深刻な打撃不振を自ら切り捨てるように語り、その強烈な〝自己採点〟が波紋を広げている。
米メディア「ヤードバーカー」は12日(日本時間13日)、昨季のア・リーグ本塁打王に輝いたローリーの苦悩に焦点を当てた。11日(同12日)のヤンキース戦に1―4で敗れ、チームは5連敗。56勝64敗と借金8に沈み、ア・リーグのワイルドカード最終枠まで4ゲーム差となった。直近19試合でも14敗と失速が止まらない。
昨季はメジャー最多の60本塁打、125打点をマーク。捕手として史上初のシーズン60発を成し遂げ、ア・リーグMVP投票でも2位に入った。昨季球宴前日の2025年ホームランダービーでも史上初めて捕手として優勝し、〝ビッグ・ダンパー〟の異名を全米にとどろかせた。
ところが今季は86試合で打率1割5分9厘、12本塁打、出塁率2割6分4厘、長打率2割9分9厘、OPS0・564。昨季とはあまりにも対照的だ。三振率は32・2%、ボール球への空振り率も36・6%に達し、5月には34打数連続無安打という長いトンネルにも迷い込んだ。
同メディアは〝ビッグ・ダンパー〟が今や〝ビッグ・スランプ〟へ転落したと辛らつに表現。速球には振り遅れ、変化球にはタイミングが早くなるなどスイングのバランスを欠き、今春のWBC出場が打席でのリズムに影響した可能性にも言及した。
そんな中、ローリーは敗戦後、責任を一身に背負うように「僕らはいい野球ができていない。それは僕から始まる。僕はひどい。もっと良くなる方法を見つけて、チームメートを引っ張っていかなければならない」と吐露。「とにかくもっといいプレーをしなければいけない。僕らはあらゆる面で本当にひどい野球をしている」と続けた。
昨季、球界を震撼させた60発男が、自らを容赦なく断罪するほどのどん底にいる。その言葉が単なる自虐で終わるのか、それとも反攻の号砲になるのか。〝ビッグ・スランプ〟からの脱出なくして、マリナーズの巻き返しも見えてこない。












