残留濃厚のはずが、またも「ドジャース」の名が再浮上した。

 米全国紙「USA TODAY」電子版は24日(日本時間同日)、ボブ・ナイチンゲール記者の署名記事で、8月3日(同4日)のトレード期限を前に最も積極的に動く可能性がある球団としてドジャースを筆頭に挙げた。中でも最大の焦点となったのが、タイガースのタリク・スクバル投手(29)の去就だ。

 スクバルは今季6勝5敗、防御率2・83。タイガースは24日時点で49勝54敗ながら、ア・リーグ中地区首位まで6ゲーム差、ワイルドカード圏まで4ゲーム差につけている。完全に白旗を揚げる状況ではなく、球界屈指のエースを放出すればファンや選手の猛反発も避けられない。

 米スポーツ専門局「ESPN」や米メディア「ヘビー」なども、プレーオフ争いに残っている以上、期限までにトレードされる可能性は低いとの見方を示している。

 ドジャース側にも、スクバル獲得を急がなければならない事情は見当たりにくい。65勝38敗でメジャー最高勝率を誇り、ナ・リーグ西地区を独走。20日(日本時間21日)には若手有望株2人を交換要員としてロッキーズから球宴選出のセス・ハルバーセン投手(26)を獲得した。故障者の復帰も見込まれ、現時点で先発投手が最優先の補強ポイントとは言い切れない。

 ところが前出「USA TODAY」の敏腕ライターとして、その名が広く知られているナイチンゲール記者は球界幹部らによる見解を示し、タイガースがスクバルを市場に出せば「ドジャースは全力を挙げて動く」と報じた。次期労使協定でドラフト指名権の価値が不透明になる中、タイガースが今オフにFAとなるエースを放出し、先発投手と有望株を得ようとしているとみる幹部もいるという。

 ドジャースには、MLB公式サイトの有望株トップ100に9人を送り込む厚い選手層がある。スクバルを実際には必要としていなくても、ポストシーズンで敵に回すより自軍に抱え込む方がいい。ナ・リーグ球団初のワールドシリーズ3連覇を狙う王者なら、法外な対価にも踏み切る――。それがライバル球団の警戒感だ。

「残留」が本線なのか、「ドジャース電撃移籍」が現実味を帯びているのか。ナイチンゲール記者はヤンキース、ブルージェイズ、ブルワーズ、ブレーブス、フィリーズ、レイズについても「ドジャースとともに彼らがスクバルに関心を寄せる線は、依然として消えていない」と指摘しており、情報は完全に錯綜している。前出のヘビーが「結局のところ、誰も本当のことは分からない」と結んだ通り、今夏最大の目玉を巡る攻防は期限直前まで「どっちなんだ?」の状態が続きそうだ。