1回すら持たずに炎上した「187億円左腕」が、タイガースの編成ミスまで白日の下にさらした。米メディア「ヤードバーカー」は21日(日本時間22日)、タイガースが昨オフにフランバー・バルデス投手(32)へ巨額投資した一方、タリク・スクバル投手(29)との長期契約をまとめなかった判断を痛烈に断罪した。

 バルデスは21日(同22日)、敵地リグリー・フィールドでのカブス戦に先発。オールスターブレイク後の復調を期待されたが、初回を投げ切れず42球で5安打6失点、2四球1奪三振と背信投球を演じた。試合前まで5勝6敗、防御率4・10。9年間のメジャー生活で2番目に悪い防御率だった2度の球宴選出左腕は、チームが最も勢いを必要とする局面で出ばなをくじいた。

 タイガースは前日20日(同21日)、延長10回の末にカブスを8―6で下していた。オールスターブレイク前も6月1日(同2日)以降22勝14敗と持ち直し、今夏のトレード市場で「売り手」ではなく再び「買い手」に回る可能性が浮上していた。ところが11―2の大敗で47勝54敗となり、ア・リーグ中地区4位。首位ホワイトソックスとは6・5ゲーム差に広がった。

 皮肉なのは、バルデスに投じた資金とスクバルへの対応の落差だ。タイガースは2月、元アストロズのバルデスと3年総額1億1500万ドル(約187億円)で契約。一方、2年連続ア・リーグのサイ・ヤング賞に輝いたスクバルには年俸調停で1900万ドル(約30億9700万円)を提示し、3200万ドル(約52億円)を求めた本人側に敗れた。スクバルは開幕前、球団から昨オフに長期契約の提示がなかったことも明かしている。

 左肘の故障で5、6月の大半を欠場したスクバルは復帰後に立て直し、21日の試合前時点で6勝5敗、防御率2・83。8月3日午後6時(同4日午前7時)のトレード期限を前に市場最大の目玉とされるが、ライバル球団幹部の間ではタイガース残留の見方が強まりつつある。

 ただし今夏に放出を見送っても、スクバルは今オフにFAとなる。契約延長に失敗すれば、トレードで大型見返りを得る機会を失ったまま流出する危険も残る。同サイトは「スクバルに払えたはずの資金を、なぜバルデスに投じたのか」と問い、今回の炎上で3年契約が一層大きな失策に見えると結論づけた。再浮上しかけたチームに水を差したのは、1試合の乱調だけではない。球団の将来設計そのものだった。