【昭和~平成スター列伝】新日本プロレスのタイガーマスクの引退記念試合が7日に後楽園で行われ、4代目として戦い続けたタイガーは引退試合で、終生のライバル、ダイナマイト・キッドのおいトム・ビリントン(AEW)、ブラック・タイガーⅣとそれぞれ5分1本勝負で対戦。ビリントンとは時間切れ引き分けに終わるも、黒虎とは延長戦の末に猛虎原爆固めで勝利し有終の美。セレモニーにはプロ野球・巨人の元監督でオーナー付特別顧問の原辰徳氏を筆頭に豪華な顔ぶれが揃い、花束を贈られた。

18年ぶりにNWA世界ジュニアのベルトを日本に取り戻したタイガー
18年ぶりにNWA世界ジュニアのベルトを日本に取り戻したタイガー

 セレモニー後には師匠の初代タイガーマスク(佐山サトル)が登場すると、タイガーの希望により最後のロックアップが行われた。2人のタイガーマスクは力強く組み合い、パーキンソン病などで闘病中で車いすに乗る機会の多かった初代虎はまさかの軽快なタイガーステップまで繰り出し、会場は大歓声に包まれた。

 タイガーも多くのベルトを獲得したが、初代虎は1982年5月25日静岡でレス・ソントンを破り、日本人としてはヒロ・マツダ以来、18年ぶりにNWA世界ジュニアヘビー級王座を奪取。同年1月1日後楽園でキッドを破って獲得したWWF(現WWE)世界ジュニアヘビー級王座(4月にヒザ負傷により返上)に続く快挙となった。

「タイガーマスクが不死身の闘志を爆発させた。ソントンが肩に担ぎ上げるや、全身がバネと化して1回転。一気にダブルアームスープレックスだ。それでも必死に攻め込むソントンを翻ろう。エルボースマッシュを狙うソントンに電撃ローリングソバットが火を噴いた。息もつかせずギロチンドロップからジャンピングニードロップ。さらにカウンターのドロップキックを、ラウンディングボディープレスから、ローリングしてのタイガーボディーアタック。本領大爆発の波状攻撃に会場は狂喜乱舞だ。タイガーはすでにグロッギーのソントンを抱え上げるとトドメの強烈パイルドライバー。鮮やかなタイガー殺法の連続攻撃でついに王者ソントンを撃破。再び世界ジュニア統一へ、力強い進撃を再開した」(抜粋)

 初代虎は翌26日大阪でブラックタイガーの手に渡ったWWF王座を奪還。2日間でジュニア2冠の快挙を達成した。83年8月に引退するまで同ベルトはタイガーマスクの金看板であり続けた。

 タイガーもIWGPジュニア、全日本プロレスの世界ジュニア、NWA世界ジュニアなど10以上ものベルトを獲得して初代に負けない記録を残した。31年という歴代最長の現役生活にピリオドを打ったタイガーは、師匠のタイガーステップに「感激ですよ。あんなの俺も考えられないし、ファンだって考えられないでしょ。最高の引退祝いですね」と、師弟の絆が生んだ“奇跡”に感無量の表情を見せた。引退後も新日本所属として芸能活動などを続けていく。初代虎の復活への希望とタイガーの最後の“花道”。やはりタイガーマスクはいつの時代も夢を生む永遠のヒーローであり続ける。(敬称略)