迷走を断ち切るには、エース格さえ未来への交換券に変える覚悟が要る。米老舗誌「スポーツ・イラストレイテッド」の電子版「ON SI」は10日(日本時間同日)、今季もポストシーズン進出を逃す公算が大きいエンゼルスを巡り、リード・デトマーズ投手(27)をホワイトソックスへ放出する大型トレード案が浮上していると指摘した。

 エンゼルスは9日(同10日)終了時点で37勝57敗。ア・リーグ西地区最下位に沈み、8月3日午後6時(同4日午前7時)のトレード期限を前に「売り手」となるのは避けられない情勢だ。2020年ドラフト全体10位で入団し、22年にはノーヒットノーランも達成したデトマーズは今季、先発陣で存在感を高めている。シーズン終了後も2年間の保有権が残るため、市場価値は高い。

 同サイトがトレード先の有力候補として挙げたのは、ア・リーグ中地区首位を争うホワイトソックス。見返りの柱は、最速100マイル(約161キロ)の速球と鋭いスライダーを持つヘイゲン・スミス投手(22)、2025年ドラフト1巡目指名で守備力に定評があるビリー・カールソン内野手(19)だ。加えてジェイデン・ファウスケ外野手(19)、そして未来のキーパーソンとなり得るジョージ・ウォルコウ外野手(20)もパッケージに含めるプランが水面下で模索されているという。

 身長2メートルを超えるウォルコウの最大の武器は、最高評価の「80」を与えられた規格外の長打力。今季はA+級で打率2割3分9厘、12本塁打、60打点を記録する一方、打撃技術は「20」とされ、豪快な一発か空振りかという粗さも抱える。同サイトは成功すれば大化けする半面、確率は低い「宝くじ」のような存在と評した。それでも再建球団にとって、こうした天井の高い若手をまとめて獲得する意義は大きい。

先月末で解任されたエンゼルスのミナシアン前GM
先月末で解任されたエンゼルスのミナシアン前GM

 エンゼルスは6月26日(同27日)、場当たり的な補強を重ねてチームを機能不全に陥らせたとの批判を浴びていたペリー・ミナシアンGM(46)を解任。元カージナルス編成本部長のジョン・モゼリアク暫定GM(57)を迎えた。

 新体制で臨む初のトレード期限で、実績ある左腕を将来資産へ変える決断を下せるか。デトマーズ放出が成立すれば、長く続いた迷走から抜け出し、本格再建へ踏み出す試金石となる。