最強左腕を打ち崩すより、味方にしてしまえ――。今夏のトレード市場で、ドジャースが究極の「悪夢回避策」に動く可能性が浮上している。
米メディア「FOX NEWS」は10日(日本時間同日)、ドジャースがタイガースのタリク・スクバル投手(29)を獲得する可能性について「究極の目的を遂行するためである」と指摘。今季のトレード期限は米東部時間8月3日午後6時(同4日午前7時)。残り24日となって市場が熱を帯びる中、2024、25年と2年連続でア・リーグのサイ・ヤング賞に輝いた左腕は、最大の目玉と目されている。今季も12試合で5勝4敗、防御率3・06、70回2/3で84奪三振を記録している。
同記事は米スポーツ専門局「ESPN」のジェフ・パッサン記者の分析を引用しつつ、ドジャースにとってスクバルが「最良の補強相手」になると分析した。もちろん、球界最高峰の制球力と奪三振能力を備え、短期決戦で1試合の流れを変えられる投球レベルが最大の魅力だ。
ただし、獲得を後押しする理由は戦力の上積みだけではない。パッサン記者は、スクバルを先発陣に加えられることに加え、ポストシーズンの重要な一戦で対戦せずに済む点を「非常に魅力的」と分析。同記事も「まさに、これこそがドジャースがスクバル獲得を目指す〝正体〟と言えるだろう」と同調した。
つまり、他の優勝候補に奪われれば、今度はドジャースがその剛腕を攻略しなければならない。5試合制や7試合制の短期決戦で、絶対的エースが初戦を支配すれば、シリーズ全体の景色は一変する。戦力が充実する王者にとっても、スクバルを敵に回すリスクは無視できない。
ドジャースは10日時点で61勝33敗とナ・リーグ西地区首位を独走し、MLB全体でも最高勝率。それでも故障者を抱える先発陣には不確定要素が残る。一方で、傘下にはタイガースが求める若手投手や運動能力の高い外野手候補がそろい、大型トレードを成立させられるだけの「資産」もある。交渉に加わるだけでも、他球団に支払わせる代償を膨らませる効果が期待できる。
スクバルは今季終了後にFAとなる見込みで、獲得できても基本的には残り2か月と10月のための超短期決戦型補強となる。それでも、最高の左腕を自軍に加え、同時にライバルの手から遠ざけられるなら、意味は二重だ。
世界一3連覇を狙うドジャースが狙うのは、単なる補強ではない。最大の脅威を丸ごと味方へ引き込む、究極の〝囲い込み〟だ。












