時代が変わっても、この男の信念は変わらない。昨季、野手コーチとして14年ぶりに古巣・DeNAへ復帰した村田修一二軍監督(45)は、今季からファームの指揮を託された。AIを駆使したデータ解析が浸透する令和の野球との向き合い方、選手に求める熱意と人間力、そしてリーグ優勝に懸ける思い――。チームへの恩返しを胸に、熱血指導を貫く「男・村田」に迫った。

 ――14年ぶりに古巣へ戻ってきて

 村田二軍監督(以下、村田)僕は“暗黒時代”と言われる中で、ホームランボールがスタンドから返ってくるような寂しい球場で野球していましたけど、今ではたくさんの人がすごい熱量で応援してくれていて。今の選手たちは恵まれていると思いますし、そういうチームにしてくれたDeNAには感謝しています。

 ――横浜DeNAベイスターズの野球

 村田 内部はだいぶ変わったなと。データ解析はすごく充実していますし、それに沿って野球をしているのもわかります。ただ人間がやるスポーツなので、データありきにならないようにはしています。野球は現場で起きていることであって、会議室で起きているわけではない。データは後付けでいいと僕は考えていて、どっちが上とか下とかではなく、自分の感性とAIをうまく織り交ぜながら、両立しながらやることが大事なんじゃないかなと。

 ――人間の感性とデータの両立、その上で意識していることは

 村田 最終的には現場で決めています。人間としてどう考え、データをどう活用するのかを考えてやろうっていう話はしていますね。データをもとに自己決定して、その責任は自分で負う。現場の肌感で決めるから、アナリストとコーチの人たちはしっかりコミュニケーションを取らないといけない。どっちが正しいとかではなく、どっちも正しいからどっちもうまく使おうねっていう時代だと思います。

 ――自身の現役時代にも、今のような分析機器があったらという思いは

 村田 どうですかね(笑い)。数字をもとに、調子の波を小さくするっていう意味では必要だと思います。感覚と数字のズレを練習で穴埋めをしなければいけない、そこに助言するのが我々の仕事かなと思ってます。
 ――そうした中で「村田修一」としての指導内容は

 村田 自分の役割としては、選手たちがどう野球と向き合っていくかを伝えることが大事だと思います。一度外に出て大事だと感じたのは、まず人としてというところ。考え方の素晴らしい、常に強いチームにしていくために僕は帰ってきたと考えているので、そこは言い続けていきたいですね。ゆとり(世代)だろうがZだろうが、僕は言いたいことを伝えます。「こいつにもう1打席あげて、もう1試合使ってみたい」って思われるような人間であることが最優先だと思うので、集合時間に遅れた選手がいれば「帰れ」と言いますし、「もう1回朝起きるとこからやり直してこい」って言います。野球で食わしてもらっているわけですし、その野球に感謝できない人間は人に応援されないよっていう話を常にしていますね。

 ――どんな時代でも村田修一は村田修一

 村田 そうですね、変わりないですね。あいつアホかっていうぐらい熱量を持って指導したいですし、スタッフたちも引っ張っていきたい。曲がったことは嫌いですし、嫌われる覚悟もあります。そのぐらいの気持ちでこのブルーのユニホームに袖を通していますし、「あいつのためなら頑張ってみようか」と思ってもらえる男でありたいなと思っています。このチームに育ててもらったからこそ、このチームとともにリーグ優勝したいっていうのが第一です。