栄光の投手王国が、見る影もなく崩れている。米老舗誌「スポーツ・イラストレイテッド」の電子版「ON SI」は19日(日本時間同日)、アストロズ投手陣の惨状を特集した。76試合を終えた18日(同19日)時点でチームは35勝41敗のア・リーグ西地区4位。首位マリナーズとは4ゲーム差で、まだ数字上は優勝争いから完全に脱落したわけではない。だが、かつての看板だった投手力はすでに見る影もない。チーム防御率4・87はメジャー30球団中28位。2022年の世界一を支えた「投手王国」の面影は、完全に色あせている。

 中でも厳しい視線を浴びているのが、今季から加入した今井達也投手(28)だ。昨季は西武で10勝5敗、防御率1・92、WHIP0・89と圧巻の数字を残し、海を渡った右腕。アストロズでも先発ローテ再建の切り札として期待されたはずだった。ところが現実は9先発で3勝3敗、防御率6・43、35回で25自責点、WHIP1・51。直近7試合に限れば防御率7・09まで悪化している。12日(日本時間13日)のロイヤルズ戦では、敵地でわずか2/3回を投げて5自責点。大型補強のはずが、今やローテ崩壊の象徴としてやり玉に挙げられている。

 もちろん、今井だけが炎上しているわけではない。先発陣はマイク・バロウズ投手(26)が防御率5・86、ランス・マキュラーズ投手(32)が同6・86と軒並み苦戦。一方でスペンサー・アリゲッティ投手(26)は同2・57、ピーター・ランバート投手(29)は同3・23と踏ん張っており、明暗はくっきり分かれている。だからこそ、期待値の高かった今井の不振は余計に重い。

 打線も76試合で344得点にとどまり、投壊を覆い隠すだけの破壊力はない。ジョシュ・ヘイダー投手(32)が故障者リストから戻り、ハンター・ブラウン投手(27)も16日(同17日)に復帰したとはいえ、失った星を一気に取り返せる保証はどこにもない。8月3日(同4日)のトレード期限まで約6週間。ダナ・ブラウンGMが補強で延命を図るのか、それとも現実を直視して売り手に回るのか。自慢の防御率を失った名門で、今井の背負う重圧はさらに増している。19日(同20日)の本拠地ガーディアンズ戦で今季10度目の先発マウンドに立つ日本人ルーキー右腕は今後、結果を出し続けてばん回していくしかない。