ピンストライプの穴は、守備だけでは埋まらない。ア・リーグ東地区首位を走るヤンキースの補強戦略で、ジャイアンツのマット・チャプマン内野手(33)が一気に現実味を帯びてきた。米メディア「スポーティングニュース」は、8月3日(日本時間4日)のトレード期限へ向け、ジャイアンツが高額契約選手の放出に傾く可能性を指摘。獲得候補としてヤンキース、フィリーズ、カージナルスの名前を挙げた。
ジャイアンツは31勝43敗と低迷し、ナ・リーグで下位に沈んでいる。MLB公式サイトのマーク・ファインサンド記者は、同球団がチャプマン、ウィリー・アダメス内野手(30)、ラファエル・デバース内野手(29)ら高額年俸組へのオファーを受け入れる準備があると報道。その中でも、攻守の実績と市場価値のバランスからチャプマンが最も動きやすい存在とみられている。
最も切実なのはヤンキースだ。主砲アーロン・ジャッジ外野手(34)は右第1肋骨の疲労骨折で離脱中。再検査まで4~6週間を要するとされ、復帰時期は読み切れない。地区首位の座を守っているとはいえ、10月をにらむ球団にとって、打線の厚みと内野守備の安定は避けて通れない課題になっている。
そこで浮上するのがチャプマンだ。2024年に6年総額1億5100万ドル(約243億5000万円)の契約延長を結んだ大型物件で、今季は73試合で打率2割5分2厘、OPS0・737、二塁打17本、7本塁打、41打点。5度のゴールドグラブ賞に輝いた堅守も健在で、通算の守備防御点は78に達する。華やかさだけでなく、勝負どころで計算できる実用性がある。
対照的に、ヤンキースの現三塁を担うライアン・マクマホン内野手(31)は同記事で打率2割1分1厘、OPS0・639と指摘されており、攻撃面の物足りなさは明白だ。
守備力だけで我慢するには、ジャッジ不在の穴が大きすぎる。チャプマンは万能の解決策ではないが、少なくともマクマホンよりも理にかなった上積みになる。
もちろん障害は小さくない。チャプマンには今後4年で1億ドル(約161億3000万円)の年俸が残り、契約にはトレード拒否権も含まれる。
それでも、世界一を本気で狙うヤンキースにとって、ブライアン・キャッシュマンGM(58)が見過ごせる案件ではない。ジャッジ復帰をただ待つだけか、先手を打って弱点を埋めるか。金満球団の夏の決断が、ペナントの行方を左右しそうだ。












