主砲不在でも勝つ。だが、その裏で動かない巨額契約がニューヨークの皮肉を際立たせている。ヤンキースは17日(日本時間18日)、本拠地ヤンキースタジアムで行われたホワイトソックス戦に10―5で勝利した。これで同カードは2連勝。18日(同19日)の第3戦でスイープを狙う流れとなり、長期離脱中のアーロン・ジャッジ外野手(34)を欠きながらも、ア・リーグ東地区首位を快走している。

 この日はボルピ内野手の適時三塁打などで主導権を握り、ジャズ・チザム・ジュニアも10号ソロ本塁打で勢いを加速させた。チームは72試合を終えて45勝27敗。直近10試合でも8勝2敗と白星を積み上げ、ホームでも33試合で21勝12敗と強さを見せている。

 そんな好調ぶりとは対照的に、米メディア「ヘビー」は17日、離脱中のジャッジに残る巨額契約へ視線を向けた。同メディアは「負傷したヤンキースのスター選手には、依然として2億ドルの未払い金がある」と指摘。2022年12月に結んだ9年総額3億6000万ドル(約558億円)の大型契約により、今季終了後も31年まで年4000万ドル(約62億円)、計2億ドル(約310億円)の支払い義務が残る現実をクローズアップした。

 もちろん、健康なジャッジにそれだけの価値があることは誰も否定できない。離脱前は59試合に出場し、打率2割4分8厘、53安打、17本塁打、38打点、43得点、5盗塁。ヤンキースの看板であり、球界屈指の打者であることに疑いはない。

 ただ、5月31日(同6月1日)から戦列を離れ、右側第一肋骨の疲労骨折で4~6週間後に再検査を受ける見込みとなった今、視線はどうしても契約の重みにも向かう。試合に出られなくても巨額の報酬は動かない。ヤンキースが勝っているからこそ、金満球団ならではの余裕と皮肉がより際立つ構図だ。

 ジャッジ不在でも勝てることを証明しているヤンキースにとって、次に求められるのは絶対主砲の完全復活だ。チームが首位街道を突き進むほど、ベンチで見守る背番号99への期待と重圧は膨らむ。残る2億ドルを「重荷」ではなく「価値」に変えるには、超速復帰後の一振りで再びニューヨークを納得させるしかない。