主砲不在の快走劇に、最後のピース探しが始まった。ヤンキースのトレード戦略が、期限前の市場で熱を帯びている。アーロン・ジャッジ外野手(34)が右肋骨の疲労骨折で離脱しながらも、チームは17日(日本時間18日)のホワイトソックス戦に10―5で勝利。4連勝で45勝27敗とし、ア・リーグ東地区首位を守った。最大の穴を抱えながら失速どころか加速する名門が、米東部時間8月3日午後6時(日本時間4日午前7時)のトレード期限を前に狙うのは、捕手の大型補強だ。
米メディア「スポーティングニュース」電子版は17日(同18日)、ヤンキースがロッキーズのハンター・グッドマン捕手(26)とオリオールズのアドリー・ラッチマン捕手(28)に関心を寄せていると報じた。オースティン・ウェルズ捕手(26)の成長曲線が構想通りに進んでいない中、ポストシーズンを見据えれば捕手の攻守両面で上積みは不可欠。ジャッジ不在を総力で埋めている今だからこそ、弱点を放置できないというわけだ。
ただし、夢物語に近いハードルもある。米有力紙「ニューヨーク・タイムズ」傘下のスポーツ専門サイト「ジ・アスレチック」のライターで、元レッズ、ナショナルズGMのジム・ボウデン氏(65)は、グッドマンについて「ロッキーズで断トツのベストプレーヤー」と評価し、引き抜きは「非常に難しいだろう」と指摘。ラッチマンも同様にフィットし、「どちらも試合の流れを変える存在」としながら、実現性は低いとの見方を示した。
理由は明白だ。ロッキーズは再建途上で才能ある選手を1人でも多く必要としており、グッドマンを出すなら見返りは相当な規模になる。オリオールズに至っては同じア・リーグ東地区のライバル。ラッチマン級の看板捕手をヤンキースへ渡すには、よほど破格の交換条件が必要になる。
それでも、ブライアン・キャッシュマンGM(58)が簡単に白旗を上げるとは限らない。ジャッジ離脱後も9勝4敗で踏みとどまる今季のヤンキースは、むしろ「勝負できる年」であることを証明しつつある。だからこそ、無理筋に見える捕手補強をどう現実路線へ引き寄せるかが、今夏最大の焦点となる。水面下の駆け引きで逆転の一手を繰り出せるのか。キャッシュマンGMの編成眼が、名門の秋を左右する。












