勝ってかぶとの緒を締めるどころか、白星の裏で容赦なく刃を抜いた。日本ハムは28日の阪神戦(甲子園)に4―2で逆転勝ちし、セ・リーグ首位を相手に敵地で同一カード3連勝を飾った。
これで勝率5割に戻し、パ4位。新庄剛志監督(54)も試合後「敵地3連勝? デカイね、それは」と笑みを浮かべたが、その一方でチーム内には緊張が走っていた。攻守で存在感を示していた上川畑大悟内野手(29)が、この日、突如として二軍降格となったからだ。
上川畑は26日の同戦に途中出場し、4点リードの9回一死満塁で高寺望夢内野手(23)の一、二塁間への強烈なライナーを横っ跳びで好捕。阪神の反撃ムードを断ち切るビッグプレーで勝利に貢献した。27日の同戦でも「7番・二塁」で先発し、4打数2安打。守備でも好捕を連発し、攻守で評価を高めていた。
それでも指揮官は見逃さなかった。同日の7回、右前打で出塁した上川畑は次打者のバントで二塁へ進む際、途中で足を緩めて二塁封殺。全力を尽くせば避けられた可能性のあるボーンヘッドが、厳罰の引き金になった。周囲からは「厳し過ぎるのでは」との声も漏れたが、背景にあるのは「防げるミス」の撲滅だ。今季の日本ハムは内外野を問わず失策が目立ち、チーム失策数は12球団ワーストの36。守備力重視の陣を敷きながらも、凡ミスまで重なれば交流戦での浮上も、パ・リーグ制覇も遠のく。首脳陣は連勝中の28日の試合前、あえて緊急ミーティングを開いた。
林孝哉ヘッドコーチ(52)は「野球には絶対にしてはいけないミスがある。準備してのミスは仕方ないですが、ボーンヘッド、怠慢プレーはやめてくれと。そこは徹底しないといけませんからね」と説明。新庄監督も上川畑について「やれることをやれない選手はね。今までもああいう凡ミスをした後に二軍に落とされて、そのままユニホームを脱がされてしまう選手をいっぱい見てきた。上川畑君はこれをしっかり受け止めてね。やれる子なんで」と奮起を促した。
3連勝の高揚感に水を差す決断ではない。勝っている時だからこそ、緩みを断つ。新庄日本ハムは白星の裏側で、上昇への規律を刻み込んでいる。












