プロレス界の盟主・新日本プロレスに27日、激震が走った。2012年1月から親会社となっていたブシロードが、保有していた新日本プロレスの株式をテレビ朝日とサイバーエージェントに譲渡することを発表した。
ブシロードはこの日、保有株式の全てをテレビ朝日、サイバーエージェントへ譲渡(以下、本株式譲渡)する旨を決定し、同日に株式譲渡契約を締結したことを発表。「映像資産の活用や配信プラットフォームを通じた多角的な収益化を目指す観点からは、かねてより新日本プロレスリングの主要株主であり、強固な放送・映像事業基盤を有するテレビ朝日、及び優れたデジタルメディア運営ノウハウを持つサイバーエージェントのもとで新日本プロレスリングの事業を展開することが、新日本プロレスリングの企業価値の映像・デジタル戦略を最大化させ、持続的な成長とさらなる企業価値向上を実現するための最善の選択であると判断」したという。
譲渡価格は約36億円。
ブシロードは2012年2月、当時の親会社ユークスが保有していた全株式を5億円で譲渡され新日本を子会社化。木谷高明オーナーのもと積極的な広告宣伝費の投入、メディア露出の増加、動画配信サービス「新日本プロレスワールド(現NJPW WORLD)」の開始などで新たなファン層を獲得し飛躍的な成長をもたらした。海外進出も加速させ、一時は「暗黒時代」とも呼ばれた新日本人気がV字回復を果たした際にはブシロードが立役者とされた。
コロナ禍には苦境に陥ったものの、棚橋弘至引退試合が行われた今年の1月4日東京ドーム大会は46913人超満員札止めを動員。2026年6月期第3四半期の決算では、女子プロレス「スターダム」を含むプロレス興行を手掛けるスポーツユニットの売上高が、21億8700万円と前年同期比3億3700万円増の四半期過去最高売上を達成していた。
その一方で、3月には新日本の保有していたスターダムの株式がすべてブシロードに譲渡されていた。目的は「当社グループにおける経営資源の最適配置およびコーポレート機能の効率化を目的として、本株式取得を実施するもの」とされていたが、関係者やファンのあいだではブシロードがスターダムを残して新日本から離れるのではないかとささやかれていた。
新日本は現在ジュニアのリーグ戦「ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア」の真っ只中。6月14日には上半期最大のビッグマッチ・大阪城ホール大会も控えているなか、約14年も親会社として支えてきたブシロードの株式譲渡はまさに青天のへきれき。今後はテレビ朝日の連結子会社として新体制が発足するものと見られるが、団体の再建へ棚橋弘至社長の手腕が問われそうだ。












