故障禍に沈むトロントで、若き右腕が反攻の号砲を鳴らした。開幕から主力の離脱が相次ぐブルージェイズは28日(日本時間29日)本拠地ロジャーズ・センターでのレッドソックス戦を3―0で制し、重苦しい空気を振り払う完勝。打線では岡本和真内野手(29)が2回二死二、三塁から先制の2点適時打を放ち、5回にはウラジミール・ゲレロ一塁手(27)が適時打で加点した。そのリードを守り切った主役が、今季初登板のトレイ・イェサベージ投手(22)だった。

 米有力紙「ニューヨーク・タイムズ」傘下の電子版「ジ・アスレチック」は、肩のインピンジメント症候群で1か月出遅れていた右腕の復帰に注目。イェサベージは5回1/3を4安打無四球無失点、3奪三振。74球で長打を1本に抑え、地元ファンから喝采を浴びた。昨季はマイナー4階級を駆け上がってメジャーデビューし、ワールドシリーズでも3試合で12回2/3を投げて17奪三振、防御率2・84。一気に〝10月の男〟へ変貌した存在だ。

 ただ、今季のトロントは昨季の余韻に浸る余裕などない。28日終了時点で13勝16敗のア・リーグ東地区4位。ジョージ・スプリンガー外野手(36)が左足親指骨折、アレハンドロ・カーク捕手(27)が左親指骨折、ネイサン・ルークス外野手(31)が左ハムストリング負傷、アディソン・バーガー外野手(26)が左足首捻挫で離脱。投手陣でもマックス・シャーザー投手(41)、ホセ・ベリオス投手(31)、シェーン・ビーバー投手(30)らが負傷者リスト入りし、主力級の故障が相次いでいる。

 だからこそ、この1勝の意味は小さくない。岡本はこの日、先制打でイェサベージを援護。若き右腕も「たくさんのバットを折った。三振と同じくらいいい」と手応えを口にした。ジョン・シュナイダー監督(46)は「昨年の主力選手の一人が戻ってくると、活力が湧く」と歓迎したという。故障者続出で沈みかけたブルージェイズにとって、岡本の勝負強さとイェサベージの復帰は単なる朗報ではない。反攻の扉をこじ開けるキーパーソンが、ようやくそろい始めた。