単にスイープしただけでは終わらせなかった。ドジャースは16日(日本時間17日)の本拠地メッツ戦で大谷翔平投手(31)の好投も光り、8―2で圧勝し同一カード3連勝。だが、波紋を広げたのは白星だけではない。ドジャース側は13日(同14日)の3連戦初戦開始前にドジャー・スタジアムの場内大型ビジョンを使い、今オフFAでメッツから加入したエドウィン・ディアス投手(32)の〝プロモーション動画〟を公開。その内容が古巣を挑発するかのようなものだったことが今もメッツとの間に禍根を残しており、米メディア「ファンサイデッド」運営のメッツ専門サイト「ライジング・アップル」はあらためて「残酷で不必要」と厳しく断じている。
ちなみに動画が「当てつけ」と受け取られたのは、その中身にある。映像ではデーブ・ロバーツ監督(53)が、ディアスは「勝つため」「優勝するため」にドジャースを選んだという趣旨を強調。要するにメッツではなくドジャースこそが頂点に近い球団だと、公の場で古巣に突きつけた構図になった。同サイトはこれを単なる歓迎セレモニー的な演出ではなく、メッツが最も痛い部分をあえてなぞるVTRだったと受け止め、猛批判を展開している。ディアスの退団は、メッツにとって今オフの大型再編の出発点でもあっただけにファンの喪失感はなお深いというわけだ。
しかも皮肉なのは、そのディアス自身が万全ではないことだ。今季は6試合で4セーブ、防御率6・00、10奪三振、WHIP1・67。10日(同11日)のレンジャーズ戦では移籍後初のセーブ失敗を喫し、その後は球速低下が懸念材料となっている。ロバーツ監督も「IL(負傷者リスト)の話ではない。デー・バイ・デーだ」と説明し、慎重管理を続けている。実際、接戦だったメッツとの2戦目でもディアスの登板はなかった。古巣相手の3連戦でディアスの登板が一度もなかったにもかかわらず挑発まがいの動画が流されたことで、同記事は「なぜ、このタイミングだったのか。あの映像は球団ではなくメッツファンを落胆させただけだ」と問題提起している。
メッツはこの3連戦で計3得点しか奪えず、16日(同17日)終了時点で7勝12敗のナ・リーグ東地区最下位に沈みどろ沼の8連敗。一方のドジャースは勝った上で、去った守護神の移籍理由までわざわざ見せつける。連敗地獄にあえぐメッツにとっては、それがただの演出ではなく古傷をもう一度こじ開ける〝致命傷〟となっているようだ。












