二刀流スーパースターが動かしているのは、打線だけではない。今やドジャースは、その一挙手一投足が球団の収益を押し上げる「大谷経済圏」の真っただ中にある。スペイン有力紙「マルカ」(米国版)は、その膨張ぶりと内情を詳しく報じた。

 大谷翔平投手(31)は、2023年12月からドジャースに10年7億ドル(約1114億円)で加入。ただ、受け取る年俸は大半を後払いにしたため、今季のフィールド上の収入は200万ドル(約3億2000万円)にとどまる。

 その一方で、米経済誌「フォーブス」は206年の総収入を1億2700万ドル(約202億円)、うちフィールド外収入を1億2500万ドル(約199億円)と試算した。主役はもはや打席やマウンドにとどまらない。

 波及は球団側に及ぶ。フォーブスの26年球団価値ランキングでドジャースは78億ドル(約1兆2418億円)に到達し、首位ヤンキースの85億ドル(約1兆3532億円)との差を詰めた。背景には「ショウヘイ効果」がある。フォーブスは2024年、ドジャースが日本企業12社を新規開拓し、スポンサー収入を7000万ドル(約111億円)積み増したと報告。今季はユニクロが5年総額1億2500万ドル超(約199億円)の契約で「UNIQLO Field at Dodger Stadium」の命名権を取得し、ダイソーも会見用バックボードや球場広告で露出を広げている。

 熱狂は売店と収集市場にも直結する。大谷関連の限定グッズは高額でも話題を呼び、コレクター界では金色のMLBロゴパッチ付きサインカードが昨年12月、300万ドル(約4億8000万円)で落札された。

 もはや大谷は「スタープレーヤー」の域を越えた。勝てば話題を呼び、話題が企業を呼び、企業がまた球団価値を押し上げる。ドジャースが手にしたのは一人の看板打者ではない。球団そのものを増幅させつつある野球界最大級の「金脈」である。