勝っても晴れない。むしろ今のジャイアンツの危うさを、よりはっきり映し出した一戦だった。米メディア「ヤードバーカー」が伝えたのは、16日(日本時間17日)のレッズ戦で見えたチームの険悪な空気だ。
敵地グレート・アメリカン・ボール・パークで3―0と連敗を4で止めたものの、8回にはウィリー・アダメス内野手(30)への死球で相手投手が退場。9回には最後を締めたエリック・ミラー投手(28)がサル・スチュワート内野手(22)を空振り三振に仕留めた直後ににらみ合いとなり、試合終了後にもかかわらず両軍ベンチが飛び出した。殴り合いこそなかったが、快勝の余韻とは程遠い、みっともない幕切れだった。4連敗を止めても胸を張れない勝利だったと言っていい。
背景にあるのは、開幕ダッシュに失敗した名門の焦りだ。ジャイアンツは16日(同17日)終了時点で7勝12敗。ロッキーズと並んでナ・リーグ西地区最下位に沈み、14勝4敗で首位を走るドジャースとは7・5ゲーム差。カリフォルニア・ダービーの相手が独走態勢に入りつつある一方で、自分たちは泥沼でもがく。その落差が、レッズとの一戦でむき出しになった。トニー・ヴィテロ監督(47)が「もっと必要だった」と語るほど、チーム内には感情を爆発させる切迫感が渦巻いている。
その閉塞感を象徴する存在として、インド系米メディア「スポーツキーダ」がやり玉に挙げたのがラファエル・デバース内野手(29)だ。15日の同カードでは空振り三振後にバットをたたきつけてへし折り、ネット上では「トレードしろ」「契約をつかまされた」といった辛辣な声まで噴出した。昨年6月に1対4の大型トレードでレッドソックスから加入し、2年目の今季も期待値が高いデバースはここまで70打数16安打でわずか打率2割1分6厘、2本塁打、6打点。もちろん不振の責任を一人に押しつけるのは乱暴だ。
チーム総得点58、失点82、得失点差マイナス24。体たらくな現状の数字が示す通りジャイアンツは、不安と不満がくすぶる危うい場所に立たされている。












