もはや「投げられるようになった」という段階ではない。ドジャースの大谷翔平投手(31)が31日(日本時間1日)のガーディアンズ戦(ドジャー・スタジアム)で今季初先発し、雨が降り注ぐ悪条件の中でも6回87球、1安打6奪三振、3四球無失点の快投。打っても3打数1安打2四球で3度出塁し、投手として自身の今季初白星とともにチームにも4―1の勝利を呼び込んだ。この一戦は単に二刀流復活の確認作業ではなく「2026年版・大谷」が、さらに厄介な領域へ踏み込んだことを示す内容だったと受け止められる。

 米有力紙「ニューヨーク・タイムズ」傘下の米スポーツ専門サイト「ジ・アスレチック」が注目したのも、まさにその進化の中身だ。昨季終盤に二刀流へ再適応した土台がある上で、今季は大谷本人が「昨年よりも、もっとリラックスして楽に投げられている」と実感。ドジャース内部にも「今年はさらに良くなる」との見解があり、単なる球速や出力ではなく、投球そのものの完成度が一段上がる気配が漂っている。

 MLB公式サイト「MLB.com」も、その右肩上がりの勢いに乗せられるように大谷が依然として好調モードを継続させている理由として昨年8月27日(同28日)以降、レギュラーシーズンで22回2/3連続無失点を継続していると伝えた。根拠は球種の厚みだ。この日は普段よりカーブを多く使い、21球を投じたほか、スプリットでも5つの空振りを奪った。速球は最速99・2マイル(約159・6キロ)を計測しながら、速さ一辺倒ではなく、カーブ、スプリット、スイーパーを軸に打者の目線とタイミングをずらした。ガーディアンズのボート監督が「特に決まったパターンはなかった」と評したように、読みづらさそのものが武器になっている。荒れたマウンドにも動じず、最後はホスキンスを低めのスイーパーで空振り三振。ロバーツ監督が「彼は全く動じない」と語ったのも象徴的だった。

 しかも大谷の厄介さは、投手だけで終わらない。5回を投げ終えて次の回の先頭打者が自分だと思い出し、慌てて打席準備に入っても四球を選ぶ。そんな離れ業を当たり前のようにこなしながらグラウンドコンディションが明らかに悪化しているにもかかわらず、なおもマウンドで圧巻の投球内容を見せつける。同僚のマンシーが同記事の中で、大谷について「ほとんどサイ・ヤング賞級を期待している」と言い切っているのも大げさではない。

 大谷の2026年は「二刀流再開」ではなく「投手」としての格上げも本題であり、最大の注目ポイントとなりそうだ。