ドジャースは、まだ完成形ではない。それでも開幕カードの本拠地ダイヤモンドバックス3連戦を3連勝し、スイープで危なげなく制した。大谷翔平投手(31)が打撃で本来の迫力をまだ示し切っていない中でも、王者の地力は際立つ。地元紙「カリフォルニア・ポスト」は「この時点での強さこそが他球団にとって最大の脅威」と指摘し、米スポーツ専門局「ESPN」ではまさかの「4月V確定」までささやかれ始めている。一体、その根拠とは――。
前出「カリフォルニア・ポスト」が驚きをもって伝えたのは、ドジャースの無敗発進そのものではない。むしろ4度のMVPを誇る大谷が、まだ打撃で本来の迫力を示し切っていない段階でもチームが揺るがなかった現実だ。大谷は開幕カードで8打数1安打。それでも4四球に1死球を記録し、第2戦では同点の8回に二ゴロで走者を進め、その後の決勝点につなげた。同紙は「打っていなくても戦力になっている」大谷の厄介さを強調している。
しかも、その大谷が静かなスタートでも、打線全体は勝ち方を知っていた。ベッツ、スミス、フリーマンら実績十分の顔ぶれが並び、毎晩の主役が入れ替わる。実際、ドジャースは3試合すべてで一時リードを許しながら、最後はきっちり勝ち切った。フリーマンが「だからこそ、我々は3勝0敗なんだ」と言い切ったように、このチームの怖さは1人に依存しないところにある。
同紙がさらに高く評価したのは、打線の成熟だ。派手な本塁打攻勢だけではない。大谷のように四球を選び、ゴロで走者を進め、次打者に好機をつなぐ。ロバーツ監督も「粘り強く戦う。それがわれわれのやり方だ」と語っており、フリーマンも「スコアボードには載らなくても、勝つためには必要なこと」と言い切った。豪華戦力でねじ伏せるだけでなく、我慢比べにも強い。この二枚腰こそが、王者を王者たらしめている。
投手陣にも新たな厚みが出た。ダイヤモンドバックスとの3連戦で救援陣は計11回2/3を無失点。昨季の不安材料だったブルペンが、今季は武器に変わりつつある。新守護神・ディアスの加入で終盤の設計が整理され、他の救援陣をより有利な場面で使えるようになった。勝ちパターンが明確になれば、打線が多少湿っても逃げ切れる。
だからこそ、米球界では早くも「この先」の話になっている。大谷がまだ目覚めていないのに、ドジャースはもう強い。ならば、そのユニコーンが本来の長打力を解き放ち、さらに3月31日(日本時間4月1日)の本拠地ガーディアンズ戦で今季初先発のマウンドに立ち、結果まで残したらどうなるのか。打って脅威、投げても脅威――。その二刀流が本格稼働した時、ドジャースはもはや「優勝候補」の枠では収まらない。
実際、「ESPN」では29日(同30日)の深夜番組「Baseball Tonight」でアンカーが冗談半分ながら「今年のドジャースの勢いはすさまじい。4月中に大勢が決まってしまうかもしれない」と口にし、まさかの〝4月V確定〟を予想する声まで飛び出している。
シーズンは長い。もちろん、4月ですべてが決するわけではないだろう。それでもこのように極端な〝予言〟が飛び出すこと自体、2026年版ドジャースの「異様な強さ」を物語っている。












