海を渡った日本の大砲が、いきなり米全国紙の主役に躍り出た。米全国紙「USA TODAY」電子版は開幕週末の「勝者と敗者」を特集し、日本人打者ではブルージェイズの岡本和真内野手(29)とホワイトソックスの村上宗隆内野手(26)を「勝者」として大きくクローズアップした。記事は、日本から渡米した長距離砲に向けられていた警戒や半信半疑を踏まえた上で、開幕直後の働きぶりを高く評価している。

 評価の急先鋒となったのは村上だ。ブルワーズとの敵地開幕3連戦となった27日から29日(日本時間28日から30日)にMLB新人史上4人目となる開幕3戦連続本塁打を放ち、チームがスイープ負けを喫した中でも「唯一の明るい材料」として扱われた。長期低迷に沈むホワイトソックスの中で、村上の長打力だけは別格。メジャー投手への適応を不安視する声があったからこそ、この3発のインパクトは小さくない。

アスレチックス戦勝利後に手荒な祝福を受ける岡本和真(ロイター)
アスレチックス戦勝利後に手荒な祝福を受ける岡本和真(ロイター)

 一方、昨季〝準世界一〟のブルージェイズに加わった岡本も負けていない。アスレチックスとの本拠地開幕3連戦となった27日から29日で12打数4安打、1本塁打、出塁率4割2分9厘。29日の3戦目にはMLB初アーチもマークし、チームの勝利に大きく貢献した。USA TODAYは、トロントの新戦力が最初の3試合でしっかり輪郭を示した点を高く評価。派手に暴れ回った村上とは違い、岡本は強力打線の厚みを増す「計算できる右の大砲」とも評し、早くもその存在感を刻んだ格好だ。

 同紙は契約規模にも触れている。岡本は4年6000万ドル(約96億円)、村上は2年3400万ドル(約54億4000万円)。いずれもメジャー市場では超大型契約とまでは言えず、当初の段階では日本人スラッガーの長打力がそのまま通用するのかという慎重論も残っていた。それでも、開幕週末を終えた時点で両球団とも「その賭けに出て、早々と好印象を得た」と総括された。米全国紙が2人をそろって「勝者」側に置いた意味は、決して軽くない。

 その一方で、記事が「敗者」に挙げた側との落差も鮮明だった。同紙は新人監督勢の苦戦や、ドジャースにのみ込まれたナ・リーグ西地区勢の低空飛行にも着目。特にダイヤモンドバックスはドジャースに3連敗、ジャイアンツはインターリーグとなったヤンキース相手の3連戦でわずか1得点と、開幕直後から明暗がくっきり分かれた。

 だからこそ村上と岡本の「勝者」としての扱いは単なる好発進ではなく、MLBの開幕カードで確かな爪痕を残した確固たる証明でもある。