第98回選抜高校野球大会の第9日(27日)の準々決勝第2試合は智弁学園(奈良)が花咲徳栄(埼玉)に8点差をひっくり返す大逆転劇で12―8と激勝。10年ぶりのベスト4に進出した。
先発の田川(3年)、高井(3年)、水口(3年)と次々と崩れて2回までに8失点。重すぎる失点がのしかかる中、誰1人勝負から目をそむけなかった。2回に1点を返すと、驚きの反撃を開始。先発全員安打の猛攻で毎回得点を重ね、1点差に迫った5回、二死一、三塁から2番・志村(3年)がエース黒川(3年)142キロのストレートを叩き、左中間を破る適時二塁打で2者生還。ついに大逆転に成功した。
圧倒的劣勢の流れをストップさせたのは、3回から4番手でマウンドに上がったエース杉本(3年)。9回まで3安打、無失点に抑える快投で猛反撃を呼び起こし、ミラクル勝利をもたらした。
殊勲打の志村は「(相手の)黒川投手への準備はできていた。(劣勢は)想定外と言えば想定外だけど、こういう展開は経験している。あきらめなかったら絶対に勝てると思っていた。あせりはなかった。今日は点差が開き過ぎたけど、杉本が流れを変えてくれた。野手が点を取らなきゃ、と燃えていた」と会心の一打を振り返った。
流れを変えた杉本も「危なくなったら行くぞ、と言われていたので想像はしていた。野手を信頼してマウンドに上がった。自分の1球、投球で流れを変えてやろうと思った。球は走っていた」。3試合連続登板にもマウンドで笑顔ものぞかせ「徐々に追いついていたので甲子園でやれる楽しさ、嬉しさがにじみ出ていたと思う。疲れはない」と楽しみながら歴史的な大逆転劇を生み出した。
選手が起こしたミラクルに小坂監督は「開き直ってですね。序盤だったんで1点ずつ返せば流れも変わるかな、と思った。大ざっぱにしないよう、きっちり野球しようと。杉本投入で流れが変わらなかったら負け試合と思って送り出した。エースとしてしっかり投げてくれた」と声を震わせ、中京大中京(愛知)との準決勝に向け「4番目の相手という気持ちで向かっていきたい」と気を引き締めた。












