高校野球界で部員による不適切事案が相次いでいる。日大三(東京)では部員が女子生徒にわいせつ動画を送らせて拡散したなどとして警視庁に書類送検され、延岡学園(宮崎)でも少女の裸の動画を録画して拡散する事案が発生。SNS利用や学校生活における規範意識のあり方が改めて問われている中で、日本高野連の井本亘事務局長(54)の見解を聞いた。

日本高野連の井本亘事務局長
日本高野連の井本亘事務局長

 ――高校野球界で事件が相次いでいる

 井本事務局長 当然あってはならないこと。この件で今のところ改めて通達を出すという予定はないです。ただ紙を配るだけで終わりとなっていい状況ではないと思っていますし、影響力のある専門家などから講演を行ってもらうなど、対策を練らなければならない。「悪いことすんな」と言われたからやらないでおこうというのは寂しいことですが…。しっかり考えないといけないことだ思っています。

 ――野球部員以外が発端となるケースもある

 井本事務局長 一般の生徒さんや、クラスメートから出回る場合もある。だから何もやってない子たちも自分たちに来る可能性を認識して、発信や拡散はしない、という強い意志を持っていてほしい。我々高校野球連盟として野球部員に対して訴えていかないといけないですが、一般の生徒さんや周りの人たちには我々(の訴え)が及ばない。そこから影響を受けたらどうするべきなのか、すごく難しい問題だと感じています。

 ――真面目に取り組んでいる部員にも悪影響が及ぶ

 井本事務局長 学生スポーツ全体が〝スポーツだけできたら何しても許される集団〟に見られるんじゃないかなと。子供の頃から自分が好きなもの、得意なものは何かというところで野球が大好きで、自分の道を切り開きたいと頑張ってる子もいる。一方でちゃらんぽらんで野球しかやってないほんのわずかの子たちと一緒に見られてしまう。それは我々としてはすごく悲しいというか…。

 ――動画などが拡散されると、完全に消えることはない

 井本事務局長 デジタルタトゥーの被害を受けたら、一生傷は消えないですし。またSNS上がクローズで〝何をしてもいい〟と勘違いしている。便利さや自由を手に入れたけど、履き違えたらダメだと。自由という権利があるなら責任という義務が発生する。みんなきちんと理解をしてないんじゃないかなと感じます。

 ――今大会は順調に進んでいるが

 井本事務局長 毎年問題が起こってしまっているのは、非常に残念としか言いようがないです。まずは大会が無事に終わるように努めていきたいです。