第98回選抜高校野球大会の第6日(24日、甲子園)第1試合に春夏通算10度目の優勝を目指す大阪桐蔭が登場。192センチ左腕の川本晴大投手(2年)が熊本工を相手に3安打無失点、14奪三振、最速147キロの圧巻投球を披露し、4―0と完封デビューを飾った。〝西の横綱〟が怪物左腕とともに最強神話を取り戻すのか。同校OBで高校野球YouTuber「田端ブラザーズ」の田端良基氏(31)は川本の〝大化け〟を予感し〝覇権奪還〟に太鼓判を押した。

大阪桐蔭OBの田端良基氏
大阪桐蔭OBの田端良基氏

 長身から振り下ろす剛球に熊本工の打者のバットが次々と空を切った。150球をほぼ直球で押しまくり、14奪三振の完封劇。川本は「目標にしていた甲子園のマウンドで、初戦から投げることができてよかった。疲れたけど、自分の投球ができた。下級生なので下級生らしく先輩の日本一に貢献したい」とうれしさを控えめに話した。

 山梨学院の菰田、横浜(神奈川)の織田、沖縄尚学の末吉(いずれも3年)の〝投手ビッグ3〟に注目が集まったが、菰田は左手首付近を骨折、織田と末吉は惜敗して姿を消した。そんな中、1回戦大トリの大阪桐蔭から最もビッグな2年生モンスターが〝出現〟し、田端氏も驚きを隠せなかった。

「予想以上にエグかった。すごいとは聞いていたが、ここまでとは…。100球を超えて疲れは見えたが、ストレートで押すのはさすが。セットポジションでも崩れない。走者を背負ってからの方がいい投球をしていた。実戦向きに仕上がった」

 さらに、そのポテンシャルは大阪桐蔭・藤浪晋太郎(DeNA)、花巻東・大谷翔平(ドジャース)、横浜・松坂大輔氏(元西武、レッドソックス)にも匹敵するとみている。「今後、変化球を覚えたらもっと化ける。もう1年ある、と考えたら末恐ろしい。可能性だと過去最強レベル。2年の春に初戦を任されて、あの長身であの投球ができるというのは…藤浪でも完封はできなかったし、大谷でも無理。真っすぐで空振りを取れるのが強みだし、狙われているのに打てない。角度あるこんな左腕は見たことないですね」と史上最大の〝大化け〟を予感した。

西谷監督(右)からアドバイスを受ける大阪桐蔭・川本晴大
西谷監督(右)からアドバイスを受ける大阪桐蔭・川本晴大

 チームは初戦を2年生で突破し、近畿ナンバーワンの呼び声が高い153キロ右腕の吉岡貫介(3年)を温存。組み合わせの有利さもあり、2022年春以来の頂点も見えている。

「今年の桐蔭は試合巧者で、相手の流れに付け込む。初回と終盤の得点も、前の回の熊本工の微妙な感じの流れを突いた。川本君がプレッシャーを与え続け、荒々しい破壊力はないけど、去年春に優勝した横浜くらいの試合巧者ぶりがある。今までの桐蔭らしさはなくても優勝はあると思う」

 ライバル校に九州国際大付(福岡)、神村学園(鹿児島)、智弁学園(奈良)を挙げながらも田端氏は「競った展開になっても最後は勝ってる、みたい試合ができる」と占った。ここ数年、影を潜めていた最強軍団が再び時代を取り戻す。