第98回選抜高校野球大会(甲子園)は26日に第8日目を迎え、第2試合で英明(香川)が東北(宮城)を6―3で下し、春夏を通じて初のベスト8進出を決めた。序盤から前田(3年)、池田(3年)の連続適時打などで得点を重ね、先発の松本倫(3年)が追撃を交わして完投。香川監督は「ナイスピッチング。テンポよくストライクを取れていた」と右腕を褒めた。
投打の功労者がいる一方で〝捨て身の献身〟を見せたのが「8番・三塁」の榎本侑晟(2年)だ。1―1で迎えた4回、二死一塁から石崎(2年)の投じた138キロの初球ストレートが頭部に直撃。倒れてピクリとも動かない榎本に場内が騒然となる中、担架でベンチ裏に運ばれた。その後に連打で2点を勝ち越すと、榎本はその裏からグラウンドに現れ、三塁守備に〝復帰〟。さらに6回にも足に死球を受け、そこから満塁のチャンスを作って松原(3年)の2点適時打につなげた。
ナインに心配をかけたが、試合後は「頭に当たった時は気づいたら倒れていた。真っ白になったけど、意識はあった。動けたけど、動くなと言われたので動かなかった」と明かし「自分の仕事は出塁して上位に回すこと。内に抜けてきた球だったけど、当たって出塁できた。死球には慣れてます。死球は安打と同じ」とケロリと話した。
榎本は県大会、秋季大会ばかりか、練習試合、打撃練習でもなぜか死球が集中する〝インケツ男〟で、「なんでなのか分からない」とクビをかしげる。宿舎の食事バイキングでも「並んでて自分の目の前でおかずがなくなることが多い」らしく「みんなでアイスを食べていても自分だけハズレます」。初詣のおみくじも「今まで大吉を引いたことは一度もない。小吉くらいで、あとは凶。いつも結ぶやつです。ついてないです」とこぼす。
とはいえ、最後は「野球でついてるのが一番の大吉でうれしいこと」と満面の笑み。ついていないようで、勝負どころではチームに流れを呼び込む。この日の2死球で〝インケツぶり〟を勝利に変えた榎本の献身が、英明の球史を塗り替えた。












