昨秋王者が〝イチ流モノマネ〟で頂点獲りに挑む。第98回選抜高校野球大会第4日(22日)第1試合で昨秋の明治神宮大会を制した九国大付(福岡)が、同大会準優勝の神戸国際大付(兵庫)と激突する。

 開幕を前にした18日には甲子園で開会式リハーサルが行われ、九国大付ナインも堂々と行進した。楠城祐介監督(42)は「やるべきことはやっていけてますし、準備もできています。試合ではとにかく一点でも無駄な点数をあげないことに重点を置いてやっていきたい」と力を込めた。

 そんな昨秋王者にとって、この冬の大きな財産となったのが、マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクターのイチロー氏(52)による直接指導だ。日本人初の米国野球殿堂入りを果たしたレジェンドは、キャッチボールや打撃練習を通じて技術面だけでなく、野球に向き合う姿勢や思考の重要性も説いた。

 城野慶太主将(3年)は「〝言語化すること〟が大切だと言われました。『なぜそのプレーを選んだのか、どうして成功したのかをしっかり言葉にしよう』と教えていただきました」と振り返る。その上で「この冬もチーム全体で取り組んできて少しずつ成長できたと感じています」と確かな手応えを口にした。

 レジェンドの教えが浸透する中で迎えるセンバツ。主将は「その成果を選抜という大舞台の初戦で出せると思うと本当にワクワクしています」と胸を躍らせた。

 さらに九国大付ナインは、精神面でもイチロー氏の影響を色濃く受けている。

「投げ方や堂々とした立ち居振る舞いも意識してまねしています。堂々としている方が自分自身にも余裕が生まれると思うので。甲子園は緊張する舞台ですが、イチローさんのような堂々とした姿をチーム全員で見せていきたいです」(城野主将)

 その〝モノマネ〟もまた、聖地で戦うための武器になっている。球界のレジェンドから授かった教えを胸に、昨秋王者は春の大舞台でもテッペンを狙う。