第6回WBC決勝戦は17日(日本時間18日)にマイアミのローンデポ・パークで行われ、ベネズエラが3―2で米国に競り勝ち、悲願の初優勝を果たした。そのベネズエラに準々決勝で敗れた侍ジャパンは、過去ワーストとなるベスト8で大会を終えた。悔しさを残したまま代表に選ばれていたNPB勢はそれぞれの所属球団へと戻り、再始動している。
まさかの8強敗退。連覇を逃した事実は重い。ただ、この敗戦は単なる一度の取りこぼしではなく、日本野球が次の段階へ進むべきことを示す敗北でもあった。2013年の第3回WBCで侍ジャパンの戦略コーチを務めた巨人・橋上秀樹オフェンスコーチ(60)は、今大会を通じて見えた構図をこう語る。
「昔から、日本が世界で勝つためにパワー系ではない『スモールベースボール』の戦い方をしてきたが、大谷(ドジャース)が出てきてから、パワーでも世界を相手にかなり互角に戦えるようなところまで来た」
その一方で、初優勝をつかんだベネズエラの急成長には強い危機感をにじませた。「またここでちょっと差が開いたというか、世界がパワーで、スピードで、もう一歩二歩進んでいるような感じだった。ああいうのを見せつけられると、日本の野球も変わらざるを得ないんじゃないかなとも思う」。その言葉は日本がなお、世界の先端を追う立場にあることを物語っている。
次の大きな国際舞台は2年後のロサンゼルス五輪だ。次回WBCの開催時期は、30年3月とみられるものの未確定。それでも、世界一奪還へ向けたテーマはすでにはっきりしている。必要なのは、短打と機動力だけでは押し切れない相手を一振りで沈める「長距離砲打者の育成」だ。
もちろん多くのNPB打者が〝大谷級〟へと進化すれば理想的だが、それは簡単な話ではない。だからこそ現実的には、昨季の岡本(現ブルージェイズ)や村上(現ホワイトソックス)のように球団で中軸を担うパワーヒッターを、代表でも中長期的な視点で育てていく必要がある。国際大会の短期決戦で勝ち切るには確実性だけでなく、試合の流れを一変させる破壊力が欠かせない。
侍ジャパンは2、3年後、どのような顔ぶれで世界に挑むのか。ベネズエラの初優勝は日本にとって屈辱であると同時に、進むべき方向を突きつける警鐘でもあった。次なる戦いへ向け、日本野球はその刃を研ぎ直すことになる。












