イタリア代表の快進撃を語る上で、もうこの男は外せない。WBC1次ラウンドB組でイタリアは11日(日本時間12日)、メキシコを9―1で撃破。ビンセント・パスクアンティノ内野手(28=ロイヤルズ)が大会史上初となる1試合3本塁打をたたき込み、4戦全勝で準々決勝進出を決めた。MLB公式サイト「MLB.com」もミスター・マーチ級の歴史的夜として大きく扱っており、米国代表を「救った男」としても一気に注目度を高めている。
もっとも、ドジャース周辺でこの爆発が妙にザワつきを呼んだのはドジャース専門メディア「ドジャー・ブルー」がクローズアップしているように、パスクアンティノと今大会で侍ジャパンの一員となっている大谷翔平(31=ドジャース)との間に、すでに出来上がっていた〝因縁ネタ〟があるからだ。
昨年10月のワールドシリーズのメディアデーでは、MLBの企画で〝取材側〟に回ったパスクアンティノが大谷に「なぜ僕にそんなに強い球を投げるんだ? なぜ僕を嫌うんだ?」と直撃。大谷は通訳ウィル・アイアトン氏を通じて「本当にいい打者だから」と返し、場内の笑いをさらったのは記憶に新しいところだろう。
このやり取りが、ただの冗談で終わらないのが面白い。実際、大谷のキャリア最速級の2球は、いずれもパスクアンティノに投じられている。1球は2023年3月16日の第5回WBC1次ラウンドB組・イタリア戦(東京ドーム)で記録した102マイル(約164・1キロ)、もう1球は25年6月28日(同29日)のロイヤルズ戦(カウフマンスタジアム)での101.7マイル(約164キロ)。しかも後者の試合では、パスクアンティノが本塁打、二塁打を含む5打点でドジャースを沈めた。
大谷が本気でねじ伏せにいく打者。その相手が今、イタリアの主砲としてWBCの主役に躍り出た。侍ジャパンにとっても、決して人ごとではない。












