侍ジャパンが2月28日の中日との強化試合(バンテリンドーム)に7―3と逆転勝利。牧秀悟(DeNA)、森下翔太(阪神)の一発攻勢でパワーを見せつけたが、一方で細かい駆け引きも功を奏し、井端監督は「本番をある程度想定できた試合だった。経験できたのがよかった」と振り返っている。

 1点ビハインドの5回、先頭の牧原大(ソフトバンク)が出塁すると、続く佐々木の捕手前に転がった当たりで牧原が二塁アウト判定になったが、リクエストでセーフ(野選)に覆る。WBC仕様の大きなベースと牧原大の俊足が呼び込んだ結果だった。

 一転して無死一、二塁となると、ベテラン源田(西武)が2球続けてセーフティーバントを敢行。三振で送ることはできなかったが、マウンドの三浦を大いに揺さぶり、続く坂本(阪神)がフルカウントから右前に弾き返す。エンドランのかかっていた牧原が楽々と生還して同点。なおも一、三塁とチャンスを広げ、得点圏に強い小園(広島)の勝ち越し打につなげた。

 井端監督は源田へのバントサインの狙いについて「どの打者も一度は本番前にやっておきたいというのはある。自分もそうだった。成功、失敗は関係なく、あえて源田選手にサインを出した。これで本番も間合いとかを合わせられると思う。ビハインドでのバントもある、ということがどの選手にも伝わったと思う」と口にした。1点をめぐる局面で経験させ、ナインに意識させることが重要だった。

 2日からの京セラドーム2連戦では大谷翔平(ドジャース)、吉田正尚(レッドソックス)、鈴木誠也(カブス)らが戦列に名を連ねる。豪快な空中戦に注目が集まるが、井端ジャパンの強みは5本の集中打で一挙5点を上げたこの日の5回の攻撃にこそ秘められている。