〝投手泣かせ〟で知られるコロラドが、もう一枚のベテランを加えた。3季連続で100敗超え、2025年は43勝119敗という歴史的低迷に沈んだロッキーズが立て直しへかじを切った。経験豊富な左腕ホセ・キンタナ投手(37)の獲得だ。米スポーツ専門局「ESPN」のジェシー・ロジャース記者が10日夜(日本時間11日)にキンタナのロッキーズ移籍に関し「すでに合意しており、メディカルチェック待ち」と伝え、複数の米メディアも追随している。

 ポイントは「ベテランの共闘」だ。ロッキーズは同日、オリオールズからFAとなっていた菅野智之投手(36)と1年510万ドル(約7億9000万円)で契約したことを発表。球団運営部長のポール・デポデスタ氏(53)は日本のベテラン右腕獲得について制球と多彩な球種、そして〝勝ちぐせ〟を評価した趣旨を語っている。

 そこへキンタナが加わる。新進気鋭のムードを醸し出す若手を獲得することとは違い、あくまでも「試合を壊さないベテラン」を2枚並べ、ローテの底を上げにきた。キンタナは昨季ブルワーズで先発として24試合に登板、131回2/3を投げて11勝7敗、防御率3・96、WHIP1・29。終盤ローテを支えた「安定枠」だった。

 通算113勝は、コロンビア出身投手で最多という「実績の札」もある。もっとも、コロンビア人のベテラン左腕にとって、新たなマウンドとなるのは「マイル・ハイ」と称され〝標高の呪い〟も漂う本拠地クアーズ・フィールド。打球の飛距離が伸びることで知られ、同球団公式も再三にわたって「高地では打球が伸びる」と認めつつ公言してきた。

 その本拠地は近年でも打者寄りの数字が並んでおり、投手不利の傾向は不変だ。キンタナ本人も当地では通算防御率5点台という〝相性の傷〟を抱えている。ここをどう耐えるか。

 さらに3月にキンタナは、第6回WBCで母国コロンビア代表としてマウンドに立つ予定。一方の菅野も侍ジャパンの一員として17年の第4回大会以来となる、WBCの舞台に臨む。新天地で迎えるレギュラーシーズンよりも先に「国の仕事」が来るベテラン2人の両輪――。低迷球団が求めた〝処方箋〟は若手ではなく、ベテラン同士の現実的な共闘だった。果たして功を奏するのか。