3つの事件は同じ一つの流れなのか――。1月29日に東京・上野で日本人と中国人計7人のグループがカタコトの日本語を話す3人組に襲われ4億2000万円が盗まれる事件が発生。翌30日には羽田空港駐車場で男性4人が4人組に襲われ1億9000万円を盗まれそうになった。また、同日には香港の両替店で1億9000万円を持った日本人2人が5100万円を盗まれる事件も発生しており、関連を追跡した。

 上野の事件では、3人組が別の2人が乗る車で千葉・流山市方向に逃走した。暴力団関係者名義の車だった。羽田の未遂事件では、4人組は車で横浜市方面に逃走した。ともにまだ捕まっていない。

 羽田の4人の被害男性のうち、51歳と27歳の日本人男性はそのまま現金を持って香港に渡航し、香港・上環(ションワン)の両替店で襲われた。

 複数の香港メディアによると、香港警察は「上環5100万円強盗事件」として捜査し、「鋭眼計画(シャープアイ作戦)」に基づき、監視カメラ網の映像を短時間で分析して逃走経路を特定。出国を図る計画を把握し、30日中に男女6人を逮捕したという。

 まず香港での事件から6時間後に香港国際空港で〝実行役〟の23~52歳の男女3人を強盗容疑で逮捕した。日本人の男2人が両替店前で5100万円を奪った実行犯で、中国人の女は事前準備に関与した疑いが持たれている。ほかに、暗号資産両替店職員の28歳と29歳の中国人の男を〝換金役〟として逮捕した。実行犯が盗んだカネの一部を両替したということだが、職員は強盗にかかわった証拠はないという。

 捜査の結果、被害に遭ったはずの27歳の日本人の男の供述に矛盾があり、犯人が輸送ルートや到着時間を正確に把握していたことから、この男が〝内通者〟であることが判明。資金横領を計画し、容疑者グループに情報を流していたとして、強盗容疑により逮捕した。

 上野と羽田空港の事件では、いずれも両替のために現金を香港に運ぶ途中に襲われた。また、羽田空港と香港の両替店の事件ではともに27歳の日本人の男がかかわっていた。日本の4億2000万円強盗事件と1億9000万円強盗未遂事件と香港の5100万円強盗事件は一連の事件なのか。

 香港メディア・文匯報は1日、香港島総区刑事部は「警察は定められた手続きに従って関係部署に連絡を取っているものの、具体的な情報やデータが得られていない段階でコメントするのは適切ではない」と述べたとして、3つの事件が同一グループの犯行かどうかを否定しなかったと報じた。

 中国事情通は「被害者かつ逮捕された日本人の男は、日本円を香港ドルへ両替し、そのカネで貴金属を購入し、税差益を得ようとしていた可能性が指摘されています」と語る。

 香港は消費税がなく、金の購入に消費税がかからないため、消費税10%の日本より安く購入できる。日本に金を持ち込む際、10%の消費税支払いが義務付けられている。そして、日本国内で金を売却すると買い取り店が消費税込みの価格で買い取る。本来、正規に輸入すれば10%の消費税を支払う必要があり、日本国内での売却価格には消費税相当額が含まれるため、理論上は税負担は相殺される。しかし、輸入時の消費税を支払わずに密輸すれば、その10%分が不正な利ざやとなる。

 元警察関係者は「上野、羽田、香港はいずれも暴力団が関係する強盗グループの犯行とみられています。逮捕された27歳の男は金の密輸グループの一員で、現金を香港に持ち込む時間やルートを知っていて、強盗グループにそれを教えていたと思われます。そして、盗んだ現金を暗号通貨にマネーロンダリングしたのでしょう」と話した。

 事件の真相解明が待たれる。