パリのルーブル美術館から19日に皇帝ナポレオンの〝お宝〟9点(うち1点は窃盗団が現場近くに落とした)、市場価値にして8800万ユーロ(約155億6984万円)が盗まれた事件で、宝石を収蔵していた「アポロンのギャラリー」内の防犯カメラがバルコニー側に向いておらず、犯人の侵入を捉えられなかったため、防げなかったことが22日までに分かった。

 また、わずか4人によってたった7分で盗んで逃走したという練られた犯行手口から、犯人は欧州で有名な国際窃盗団「ピンク・パンサー」とみられている。

 もし、ピンク・パンサーだとしたら、すでに海外に持ち出され、宝飾品の回収は絶望的だとされる。米国で名高い元宝石泥棒ラリー・ロートン氏(64)が、窃盗団が密輸する手口を大胆推理。米紙ニューヨーク・ポストが先日、報じた。

 同氏は1980~90年代にかけて、宝石店25軒から推定1800万ドル(約27億4874円)を盗んだ元宝石泥棒だ。12年間の獄中生活を送った後、現在は作家、ユーチューバーとして活動している。

 ロートン氏は「バカどもが飛行機で逃亡しているなら、宝石を手荷物に入れて運んだとは考えにくい。信じられないかもしれないが、ティアラなどを分解して、『スーツケース』に入れたのだろう。スーツケースとは、直腸に挿入することだ。肛門には7インチ(約18センチ)のものが入る余裕があるんだ。そんなことを知っている理由は…オレも実際にナイフをケツの中に入れたことがあるからだ」と明かした。

 かつて米国で最も指名手配された一人だったロートン氏は、綿密な計画と正確さのおかげで捕まらずに済んだことが多かった。その経験から「ルーブルの強盗たちには同じ腕前がない」と言う。

「1人は手袋を置き忘れ、別の1人はあわてて逃げる際にナポレオン3世の妻ウジェニー皇后のティアラを落としてしまい、歴史的な頭飾りに損傷を与えた。ヤツらは俺みたいなプロじゃないな。俺は25軒もクソみたいな店を襲ったが、宝石を落としたことなんてない。ましてやティアラなんてあり得ない!」

 さらに、作業着を着て建設作業員を装って侵入した際に使った作業用トラックと脚立を焼却して証拠を消そうとした試みも失敗に終わったという。

 こうしたミスなどのために、ロートン氏は「たとえ泥棒たちがケツの中に宝石を入れてフランスから逃げたとしても、最終的には身元が割れて逮捕されるだろう。少なくとも1人はルーブル美術館と何らかの関係があるパリが地元の人物ではないか。ルーブル内部の誰かが、意図せずにそいつに情報を漏らし、それを利用した可能性もある。そこから調べればいい」と指摘した。

 ロートン氏によれば、どんな強盗にも綿密な下見が必要だという。

「オレは宝石店を1000軒以上も下見した。1軒を8週間以上も下見したこともある。そして、実際に襲ったのは25軒だけだ」と語った。

 最後にロートン氏は「ヤツらはルーブルから8点の品を持ち出した直後に湧き上がるような興奮を覚えただろう。宝石泥棒を成功した時はマジでイっちまうんだ。アドレナリンが出まくる。オレはあらゆるドラッグをやったことがあるが、宝石店から100万ドルが入った袋を持って歩いて店を出る時の高揚感にかなうものはない」と話している。