新日本プロレス2月11日大阪大会で辻陽太(32)のIWGPヘビー級王座に挑戦する「ユナイテッド・エンパイア(UE)」のジェイク・リー(37)が、「地獄のバカンス」の壮絶な舞台裏を明かした。
ジェイクは24年9月に右ヒザを負傷し長期欠場。4日東京ドーム大会で復帰し「地獄のバカンスから帰って来ました」と表現したが、その言葉は決して大げさではない。
ジェイクは右膝蓋腱断裂の重傷を負っていたため直後に手術。しかし、リハビリに励んでいた昨年1月、今度は腰椎椎間板ヘルニアと脊柱管狭窄症により、またも手術を余儀なくされる。術後も症状は改善されず、激痛で眠れない日々が数か月間も続いた。
昨年5月に腰の再手術を経て、ようやくランニングができるようになったのは昨年9月のこと。「実はしっかりした受け身を取れたのは、1月4日のリング上が初めてなんです。練習中にやっても自分でかばってしまっているのが分かりました。ただ、欠場中も体の使い方、それこそ人体の構造からずっと研究してきました。ここまでやっても痛みを伴うようなら、正直諦めようと思ったんです。でも、受け身を取った瞬間に『いける』という3文字が頭に浮かんだんです」
先が見えない日々で引退の2文字が頭をよぎったのは一度や二度ではない。「何百、何千回とありました。『もうできない』って自分の中で断定していた時期もありましたが『こんなところで終わってたまるか』と。生きていくということは何かと戦うことだと思っていて、ここで何もやらず無理だと断定してしまったら、この先ずっと逃げ続ける人生になってしまうと思ったんです」と振り返る。
絶望の淵から生還したことで、新たな境地に達した。ジェイクは「『やり方次第で人生は変わる』というのを自分自身が体現すればいいと思ったんです。なくしたものは元には戻らないけど、いま残っているもので再構築する。その物語を自分でつくっていけばいい」と復帰後のテーマを明かした。
新たな環境としてUEを選んだ理由は「棚橋弘至が引退して会社も揺れ動いている中で、UEという危機に立たされていたチームが、ストーリーをつくりながら確固たるものになっていく。そう考えたらそこに行くのが一番面白いじゃないですか」と説明。「栄えている帝国って、必ず宮廷道化師を雇うんです。笑わせるだけでなく、王に唯一意見を言える存在。自分がその役割を担いたいなと」と不敵な笑みを浮かべた。
約1年4か月の長期欠場から復帰直後の団体最高峰王座挑戦だけに、批判の声が多いのは百も承知だ。しかし、ジェイクは「じゃあコンディションを整えて、実績を作って、さあやろうって…それはいつですか? そう言っている人たちって〝今〟がずっと続くとでも思ってるんじゃないですか? この地獄のバカンスを経て、時間は有限だということを改めて感じたので。手段を選んでる場合じゃないんです」と主張する。
「最高峰のベルトを取った時こそ、俺がやってきたことは間違いじゃなかったという存在証明ができる。だからこそやるんですよ」。波乱万丈のプロレス人生を歩む男は、なりふり構わず頂へと突き進む。












