全野手の「手」を伸ばし、盗塁増を狙うつもりなのか。日本ハムの新庄剛志監督(53)が20日、都内のホテルで行われた12球団監督会議に出席。今季から導入される「拡大ベース」への対策として、全選手に「巨大手袋」を使用させる〝珍プラン〟を検討していることを明かし、周囲を驚かせた。その意図とは――。

 NPB(日本野球機構)では今季から一、二軍とも公式戦で一塁から三塁に拡大ベースを採用する。現行の15インチ(約38センチ)四方から、18インチ(約46センチ)四方へとサイズが拡大され、今春キャンプから試験的な運用も始まる。米大リーグではすでに2023年から導入されているが、日本では今季が初。ベースの大型化により盗塁増が期待される中、新庄監督はその「隙(すき)」に目を付けた。走者に長めの走塁用手袋を着用させ、チーム盗塁成功率の向上を狙う構想だ。

侍ジャパンの秋季練習で使用された拡大ベース
侍ジャパンの秋季練習で使用された拡大ベース

 指揮官は「実際(拡大ベースは)やってみないとわからない。(走者が)どのぐらいのタイムで(走者が)走るのかまだ計っていないし」と前置きした上で笑みも見せながら、こう続けた。

「よくケガしないように(走者が長めの)グローブみたいなの付けてるじゃないですか。あれ、めちゃくちゃ長い子がいるんでね」。そして真顔で「これ、ちゃんと(ルールを)決めてもらわんと。(走塁用手袋を)1センチ長くしとけ、って(選手に)言えるもんね。(極端に)長いの…あるからね」とも指摘した。

 新庄監督は日頃から、相手投手のクイックモーションや捕手の送球タイムを徹底的にチェック。盗塁成功率を高めるため、相手バッテリーの分析を重ねてきた。ただ、五十幡を筆頭に俊足野手を多く抱えながら、昨季のチーム盗塁数はリーグ4位の「79」にとどまった。近年は足を絡めた攻撃が影を潜めているのが実情だ。

 拡大ベースの採用により、今季は走塁の重要度が一段と高まる可能性がある。逆に言うと、この変化への対応を怠れば悲願のリーグ優勝を逃しかねない。だからこそ、ルールの「盲点」を突いてでも走塁面の底上げを図りたい――。そんな指揮官の思惑が透けて見える。

 奇策を好む新庄監督ならではの珍提案だが、「(ここで)言わなかったら良かった話なんですけど。こそっとやっとけば良かったんですけどね」と苦笑い。思わず口を滑らせ〝秘策〟を明かしてしまうのは日常茶飯事とはいえ、その言葉の端々からは、リーグVに懸ける並々ならぬ覚悟が早くも伝わってくる。